こんにちはマルチリンガルジョニーです。
英語の発音は私たち日本人の多くが苦手とする分野ですよね。
カタカナ英語にコンプレックスを持っていたり、ネイティブの話す英語がごにょごにょ言ってて簡単な単語も聞き取りに苦労するといった悩みを持つ英語学習者の方は多いのではないでしょうか。
とにかく慣れろ、英語のシャワーだ!という巷に溢れる情報を聞いて量をこなせばなんとかなると思ってしまうかもしれませんが、『発音記号学習』『単語レベルの発音』の発音基礎を固めない限り、英語1000時間くらい聞いたのになんかリスニング力いまいちだし自分の発音も通じないという悲惨な末路を辿りかねません。
読者の皆様にはそんな地獄のような思いを味わってもらいたくありませんので、本記事では発音基礎学習について以下の構成で解説していきます。
・発音記号を学ぶべき3つの理由
・発音記号のおすすめ教材(無料&有料)
・発音記号学習の3つのポイント
・単語レベルの発音学習
この記事を読んでリスニング学習 & スピーキング学習の土台となる発音記号学習の重要性を認識し、今日からすぐ発音基礎学習に取り組んでもらえれば幸いです。
まずは発音記号を学ぶべき理由を知ってモチベーションを高めていきましょう!
発音記号を学ぶべき3つの理由
発音はそんなに頑張らなくても良いっていう意見もあったりするので、発音記号ってめんどくさそうだし、面白くなさそうだし、できればやりたくないですよね。
そんな怠け者の心を捨てて発音記号を学んでもらえるよう説得すべく、『なぜ発音記号を学ぶべきなのか?』について以下の3つの理由を提案させていただきます。
・リスニング力アップの効果
・カタカナ英語の呪縛からの解放
・学習効率の向上
すでに発音記号学習を始める気満々の方は発音記号のおすすめ教材まで読み飛ばしてくださいね。
リスニング力アップの効果
発音記号を学ぶべき理由の1つ目は英語の音声処理能力が進化し、リスニング力が向上することです。逆に発音記号を学ばなければ、適応力の高い子供や、相当耳がよく初めて聞いた音も簡単に耳コピできる例外的人材じゃない限り、高確率でリスニング力が頭打ちするので発音記号学習は必須です。
発音記号が表す英語の音の最小単位(専門用語では音素と言います)が聞き取れるようになると、脳が純粋に音声だけを処理できるようになります。つまり英語を聞いた際にそのまま脳で自動的に文字に変換されていく状態になるので、”読んだらわかるけど聞き取れない”という状態を脱出できます。リーディング力がすでに高い方であれば著しくリスニング力が伸びる可能性がありますよ。
音声だけを処理できない状態で英語を聞き取ろうとすると、文脈や文法語法知識・語彙力、話している人の表情など発音以外の情報をヒントに虫食いクイズみたいに意味を解読しなければなりません。ただでさえ外国語の英語を聞くのは脳への負荷が高いのに、これでは知らない単語が出てきたり難しい話を早口でまくし立てられた日にはもうお手上げです。
さらに実際の会話では全単語が辞書通りに発音される訳ではなく、音がくっついたり省略されたりします。これも発音記号学習で各音素を発音する際の口の動きがわかっていれば、”この単語とこの単語はこうゆう風に繋がる”みたいなパターン丸暗記に頼らずとも、なぜそのような発音変化が起こるのかという本質が理解でき、やがてストレスなく聞き取れるようになっていきます。
このように発音記号を学べば英語の音がありのまま聞こえるようになり、リスニング力向上に大きく寄与するのです。
カタカナ英語の呪縛からの解放
カタカナ英語の呪縛から解き放たれる、とゆうのが発音記号を学ぶべき2つ目の理由です。
日本語はカタカナとゆう非常に便利なツールがあるために外来語が多く、中でも英語から仕入れた単語は大量にあります。カタカナ発音の英単語が日常に溶け込んでいる分、発音記号で正確な発音を学ばなければ、自分が知っているカタカナ発音にどうしても引っ張られてしまうのです。
例えばカタカナ発音でよく引き合いに出される”コーヒー”とゆう単語を無理やり英語のスペルに当てはめてみると"cahea"みたいな感じになり、"coffee /kɒfi /(米英語)"とゆう英語の発音とかけ離れてしまいます。
little→レロゥのようにネイティブ発音に寄せたカタカナ表記もありますが、これでも所詮英語風にすぎず、カタカナ発音には変わりありません。ka-ki-ku-ke-koとローマ字を見ればわかるように、日本語は子音+母音(k+a等)が基本です。対して英語は子音+子音(t+l等)の発音も頻出するので、カタカナ発音ではどうしても余計な母音が入ってしまうのです。
母音もアイウエオの5種類しかなく、約20種類(数え方やアクセントにより前後します)もある英語の母音にとても対応しきれません。発音記号学習なしでは英語の発音をカタカナに当てはめようとするため、異なる英語の発音も同じものに聞こえます。自分で発音する際も英語の発音に近そうなカタカナで発音するので、相手に聞き取ってもらえない状況が多発します。
このようにカタカナでは正確な発音を反映できないので、カタカナ英語で通じなくて悔しい思いをしている人や、ネイティブのようにかっこよく発音してみたいと思っている人は是非発音記号学習をやってみてください!
学習効率の向上
発音記号を覚えると学習効率がアップするという嬉しい効果があります。これが発音記号学習をおすすめする3つ目の理由です。
発音記号を学ぶとはすなわち音素という"英語の最小単位の音"の各発音方法を身につけること。この発音の基礎の基礎を身につけておくと、ネイティブの発音データを脳内に蓄積するための土台が形成され、英語の音声を聞くたびに発音の認識精度が磨かれていきます。一方発音記号という土台なしで英語の音声を聞きまくっても、脳が知らない音をノイズとして認識してしまい、せっかくのリスニング学習が無駄になりかねないのです。
さらに最小単位の音がわかっていることでスペルとの繋がりが予想できるようになり、未知の単語でも大体発音がわかるようになってきます。
例えばwater, hot, dog, likeなどは皆さんがよく知っている単語なので、発音記号がなくてもなんとなくネイティブに近い発音ができるかもしれません。ではtoddlerという単語はどうでしょうか。この単語を知らない場合、どう発音すればいいか迷ってしまうのではないでしょうか。
しかし発音記号が表す最小単位の音がわかっていれば、次のようにwater, hot, dog, likeの4つの単語からtoddlerという未知の単語の発音を導き出せるのです。
・to(hotのtとo)+dd(dogのd)+l(likeのl)+er(waterのer)→toddler/ˈtɒdlə(r)/
英語にはイレギュラーなスペルもあるので完全に機械的にルールを適用できる訳ではありませんが、それでも単語丸々の発音を毎回新たに記憶するより発音を覚えるのが格段に楽になります。記憶が苦手な人ほど発音記号という強力な記憶補助ツールを手に入れるべきなのです。
そして一度発音記号を習得すれば、単語の発音を調べる際に文字だけで正確な発音がわかるので学習の手間を省けます。発音記号がわからなければ、発音が曖昧な単語に出くわすたびにいちいち音声を再生して確認しなければならず、日が暮れます。
そもそも発音記号なしでは正確な音声を聞き分ける耳も育っていないので、いくら手本の音声で確認したところできちんと発音を覚えられるかは微妙です。自分の耳を信じすぎてはいけません。発音記号で視覚的な補助をつけた方が確実です。
このように最初に発音記号を学んでおくだけで、後々効率よく学習が進められるので、発音記号学習は本当にコスパがいいのです。
さて発音記号を学習するべき理由として『リスニング力アップの効果』『カタカナ英語の呪縛からの解放』『学習効率の向上』の3点を提案しましたが、納得していただけたでしょうか。
納得してもらえなかった方もなんとか発音記号学習に進んでもらえると助かります。今発音記号をやっておけば後々あの時発音記号を学んでおいてよかったと思える日が来るはずです。みなさんが発音記号を学んでいる間に僕も説得力を磨く訓練を続けますので、一緒に頑張っていきましょう。笑
発音学習を始める方に向けて英語で動画も撮ったので、具体的な教材選びに入る前に休憩がてらチェックしてみてくださいね。
『”発音”について英語で話してみた』
— ジョニー@英語勉強法/多言語話者 (@Lanboost1) November 17, 2019
発音学習は面倒だし、面白くないので敬遠しがちですが、一度基礎を固めればインプット•アウトプットの量に比例して勝手に改善していきます
是非この動画を見て発音学習の第一歩を踏み出してくださいね😊
*英日字幕あり
日本語訳は英語と完全一致ではありません pic.twitter.com/Rli0zOlc6v
発音記号のおすすめ教材(無料&有料)
色んなメリットのある発音記号ですが、動画でも話したように学習自体はそれほど難しくありません。大体英語の音が44音(数え方によって前後しますが)程度なので、1日5音学ぶだけで10日以内に終わっちゃうのです。
このように学習量もそれほど多くなく内容もシンプルなので、発音記号の説明と音声さえ付いていればどんな教材で学習しても大差はありません。すでに発音関係の教材をお持ちの方はそれで勉強していただければオッケーです。
それでもこれから発音記号学習を始める方で何でも良いと言われても困る、何を使えば良いのか提示して欲しいという方もいらっしゃるかと思います。そんな方のために無料教材・有用教材を1つずつ紹介しておきます。
無料の発音記号学習サイト: 英語の会
英語の会という無料の発音記号学習サイトでは、発音記号が母音・二重母音、無声子音・有声子音・その他子音に分類されており、目次から各ページに飛んでそれぞれ学べるようになっています。
各発音記号ごとにBBC提供の動画(*動画の発音はイギリス英語)でネイティブの発音の仕方を学ぶことができ、さらに口や舌の位置・動き、日本語の近い音との違いなどについてテキストでの詳しい解説もついています。
各発音記号ごとに該当の発音を使った英単語のリストも用意されているので、きちんと練習すればこのサイトだけできっちり発音記号を学習することができるでしょう。
CD音声付き参考書: 英語耳
サイトじゃなくて本で勉強したいという方はリスニング学習のステップ2: 発音変化法則の学習でも使える英語耳(*英語耳はアメリカ英語ベース)で発音記号も一緒に学んでしまうのもありです。
この教材では各母音・子音の発音方法を図解+音声で説明していますので、発音記号を体系的に学ぶことが可能です。
発音記号を学んだ後は続けてフレーズ単位・文単位で発音した場合の変化の法則についても学べるので、これ1冊で本格的なリスニング学習に進む前の発音学習のかなりの部分をカバーできます。
発音記号学習は図解+音声or 動画があればどの教材でも問題ありません。どの教材でやるかよりも根気よく練習を続けることが大切です。
どの教材か悩んでる暇があればとりあえず無料サイトで始めちゃいましょう。何に気をつければ良いかわからない方は次の発音記号学習のポイントを参考にしてくださいね。
発音記号学習のポイント
発音記号学習の最終的な目的は英語の子音・母音を個別にきっちり発音できるようになること。
手本の音声と同じように発音できるようになれば練習方法はなんでも良いのですが、何をどうやれば良いのか迷わなくて済むように以下の3つ学習ポイントをお伝えします。
・口や舌の形、位置、動きを理解する
・声に出して反復練習
・録音とスマホ音声認識で自分の発音をチェック
それぞれ見ていきましょう。
口や舌の形・位置・動きを理解する
耳で聞いて真似するだけで同じように発音できれば素晴らしいのですが、これまで日本語しか使ってこなかった大人の学習者にとって未知の音を耳コピで再現するのは至難の技です。
しかし大人になってからでも各母音・子音を発音する際に舌や口をどう動かせば良いのか、頭で概念として理解することは可能です。例えばlを発音する時は舌先を上の前歯あたりに付けて弾くんだなと、図解や動画・テキストの解説で理解するのです。
頭で理解できていなければどの状態を目指せば良いのかブレてしまい、練習の効果が出にくくなります。逆に頭で発音方法を理解できてさえいれば、最初は手本通りに発音できなくても練習を続けていくうちに理想の発音に確実に近づいていきます。
子供の方が耳が良くて新しい言語の音声をコピーするのが上手なのは間違い無いですが、耳の良さで負けている大人は頭の良さでカバーしてやれば良いのです。
声に出して反復練習
頭で発音方法を理解した後は実際に声に出してひたすら反復練習あるのみです。(各発音記号単体の発音、単語での発音練習の両方をこなしましょう。)
英語を発音する際は日本語とは違う形で口や舌などの発声器官を動かす必要があるので、普段使っていない筋肉を使うことになります。
筋トレでは頭で正しいフォームを理解した後に実際に筋肉を動かしてトレーニングすることによって徐々に筋肉が鍛えられていきます。英語の発音もこれと同じで、正しいフォーム(口や舌の動かし方)を理解した後は、その通りに口周りの筋肉を動かす練習を繰り返すことにより、徐々に正確な発音ができるようになっていきます。
最初はなかなか思ったような音が出ずにしんどく感じる瞬間もありますが、めげずに練習すればやがて特に意識せずとも楽に正確に発音できるようになります。口周り筋トレヒューマンになって英語発音筋をムキムキにしちゃいましょう。
録音とスマホ音声認識で自分の発音をチェック
独学で発音練習する際に気をつけたいのが、録音やスマホの音声認識機能を使って正確な発音と自分の発音とのギャップを客観的に把握するということです。
自分で声を出しながら聞こえているのは”頭蓋骨などの骨を伝って響く音”と”自分が発した声が空気を伝わって鼓膜に届く音”とが混ざった音です。つまり他人が聞く声と違うので、録音して聞かない限り、自分で正確に発音できているつもりでも実は変な発音になっているかもしれません。
さらに自分の発音を録音で客観的に評価するというのは英語の音声を聞き分ける耳が育っていて初めてできることです。発音練習したての頃は正確に聞き分けるのはなかなか難しいので、できればスマホの音声認識機能を使って機械に判断してもらいましょう。
iPhoneであればSiriに英単語をつぶやいてきちんと認識されるか確認するだけで、かなり精度の高い発音チェックができます。例えば"girl/gˈɚːl/"などの自分が苦手な発音を練習し、5回連続で認識されるまで繰り返すという風に工夫して活用していきましょう。
間違った発音で練習を続けて変な癖が付いちゃうと後々矯正が大変なので、最初から録音・音声認識を使って客観的にチェックして修正しながら練習を続けることが大切です。
単語レベルの発音学習
音の最小単位である発音記号(音素)を習得した後はそれを使って各単語を正しく発音できるようにならないといけません。
日本語で言うとひらがなを覚えた後に漢字の読み方を覚える必要があるのと同じです。いくら全ての音素を出せるようになっても単語の発音がわからなければリスニングもスピーキングもできるようにはなりません。
・新しく学ぶ単語の発音
・すでに(意味は)知っている単語の発音
この両方とも辞書で発音記号を日常的に調べる癖をつけて、単語レベルの発音を正確に習得していきましょう。
新しく学ぶ単語の発音
単語帳や長文、洋画などで知らない単語に出くわした時は意味だけでなく正確な発音も覚えるようにしましょう。
例えば英文を読んでいてquixoticという単語に出くわしたとします。
辞書を引くとquixotic=(ドン・キホーテのように)現実離れした、という意味でa quixotic project=現実離れしたプロジェクト、のように使うということがわかります。
これで意味がわかって満足してしまいがちですが、それではもったいないです。/kwɪkˈsɒtɪk/という発音記号もチェックして正確な発音方法・アクセントの位置もきっちり覚えましょう。
最初の方は念のため音声を聞いて確認した方が確実ですが、発音記号がちゃんと習得できていれば発音記号を見ただけで正しい発音を脳内再生できるようになります。
単語と音声、発音記号を結びつけて脳内再生力を高めていきましょう。
すでに(意味は)知っている単語の発音
発音記号を習得する前に英語をある程度学習してきた方は新しい単語だけでなく、すでに意味がわかっていて頻繁に使っている単語の発音も見直さなければならない可能性があります。
特に間違いやすい母音は要注意です。
例えば中学校で習うroad, abroad, boughtを正確に発音できますか?良かったら自分で発音したり発音記号を書いたりして答えと比べてみてください。
ではそれぞれの発音記号(米国英語)を見てみましょう。
・road→/roʊd/
・abroad→/əbrˈɔːd/
・bought→/bˈɔːt/
発音記号の母音(太字部分)をきっちり区別できていたでしょうか?
bought→/boʊt/のように間違って発音してしまうのはあるあるなので気をつけてくださいね。
例え1つ1つの音を”英語らしく”出せていても単語としての発音が間違っていれば聞き取ってもらえません。さらに1つ1つの発音記号を習得できていても単語の発音を間違えて覚えていたり曖昧に覚えていれば、それが積み重なってリスニングにも支障をきたしてしまうので単語レベルの発音を正確に習得するのは不可欠です。
英語のスペルは完全に規則的ではないので発音を覚えるのが大変そうに思えますが、それでもある程度パターンはあります。各単語のスペルと発音記号を一致させる作業を積み重ねていくうちになんとなくパターンが身につき、スペルから発音記号を予測できるようになるのでだんだん発音を覚えるのが楽になっていきますよ。
すでに知っている簡単な単語でも油断せず、少しでも発音が曖昧だと思ったら発音記号を調べるようにしてくださいね。
まとめ
ここまで根気よく読んでいただきありがとうございました。
*次のステップ・リスニング学習ロードマップ挿入
本記事では以下の4つについて解説しました。
・発音記号を学ぶべき3つの理由
・発音記号のおすすめ教材(無料&有料)
・発音記号学習の3つのポイント
・単語レベルの発音学習
発音記号学習のメリットを理解し、使える教材・発音学習方法を知ることができた今、この記事を閉じた瞬間に発音学習を始められる状態になっているはずです。
発音をネイティブレベルにするためには根気よく練習を続ける必要がありますが、発音記号を頭で理解するだけなら1週間もあればできます。さらにお手本通り発音する練習を毎日していれば単語レベルの発音は2ヶ月もすればかなりネイティブに近づくかと思います。
発音基礎固めは今後の英語学習を楽しく効果的なものにする大切な大切な第一歩です。発音練習を歯磨きのように当たり前の日課にしてその第一歩を踏み出しましょう!