リスニング

[リスニング勉強法]ポッドキャストを使った多聴学習の効果とは?

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リスニング学習 > ネイティブ英語





「TOEICや簡単なニュースなど決まった話題なら割と聞き取れるけど、深い話になるとついていけないぜ。」

「英語音声を聞く際に脳みそがはち切れるくらい集中すればなんとかなるけど、気を抜くとすぐ置いてかれちゃう。」

「自分が対応できる会話の幅って狭いな。。」

「もっとネイティブっぽい言い回しを使えるようになりたいな。」

「英語のシャワー浴びたいけど、何を耳に入れればええんやちくしょう。」



上記のような悩み解決に一役買ってくれる最強の助っ人。


それが「ポッドキャスト」です!


ポッドキャストは現代版ラジオ番組のようなもので、自分の好きなジャンルの番組をダウンロードして聞くことができます。


英語学習や歴史、心理学について話す教育的な番組や、リスナーからの相談に冗談を交えながら答えるバラエティ番組、サイクリングやポーカーなどの趣味番組等、ジャンルは本当に幅広いです。耳で聞くyoutubeといったイメージですね。


そんな耳のお供であるポッドキャストはリスニング力、さらには英会話力・知力を増強してくれる最強のツール。


TOEICや英検などの試験英語を聞き取れるようになってきた中上級レベルの学習者がステップアップするのにもってこいなのです。ポッドキャストで海外ドラマ学習と合わせてナチュラルスピードにも対応できるリスニング力をつけ、さらに会話の幅を広げて英語力に磨きをかけられると思うとワクワクしませんか?


いざ耳から英語学習をするステージへ羽ばたきましょう。



なぜポッドキャストが英語学習に適しているのか?


TOEICや英検などの試験勉強ばかりにこだわっていると、いつまでも試験の型からはみ出た英語を聞く機会を作ることができません。


試験勉強を頑張っている方もぜひ気分転換を兼ねてポッドキャスト学習の第一歩を踏み出していただきたいところです。


しかしポッドキャストでどんな効果があるのかわからないまま耳から学習を進めるのはなかなかきついものがありますよね。


そこでおすすめ番組の紹介に入る前にポッドキャストの効果を確認して、耳から学習の魅力をお伝えいたします。



多聴でインプット量を確保


英語力を上げるためにはインプット量の確保が欠かせません。


特に耳から聞く量は語学力の上昇と密接に関わりがあります。日常生活において「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のうち、「聞く」はどれくらいの割合を占めていると思いますか?


語学におけるリスニングの活用法を調査した研究によると、大人はコミュニケーションの40〜50%を「聞く」ことに費やしているそうです。ちなみに残りは「話す」が25〜30%、「読む」が11〜16%、「書く」が約9%という結果だそうです。

Research has demonstrated that adults spend 40-50% of communication time listening, 25-30% speaking, 11-16% reading, and about 9% writing.

 (Vandergrift, 1999)



この結果からわかるのは人間はいかに耳で聞くことによって学ぶ量が多いか、ということです。母語で考えても相当な変態読書家じゃない限り、読む量より耳で聞く量の方が多いですよね。我々はそうして日本語を流暢に使いこなせるようになった訳です。


しかし、英語学習では40-50%の使用率に見合う量をリスニング学習に費やせているでしょうか?英検やTOEICなどでリスニング対策をしていたとしても、1長文あたり3分前後と考えると1日に1長文x3回聞いたとしてもせいぜい10分。圧倒的リスニング不足。耳の栄養失調です。


通勤通学中・洗い物中・散歩中など、隙間時間に英語を聞くことができるポッドキャストはそんな耳の栄養不足を解決するのに最適なツールといえます。例えば通勤往復40分x2+家事1時間=2時間20分という風に、隙間時間を活用すれば大幅にインプット量を増やすことが可能です。


食事中・筋トレ中など皆さんそれぞれの生活スタイルに合わせてポッドキャストを隙間時間に組み込んでみてはいかがでしょうか。



多聴で「英語を塊で理解する力」が磨かれる


さて、多聴で耳からのインプット量を確保するとどんな良いことがあるのでしょうか。


リスニングがそこそこできる人でも、長い会話やプレゼンだと部分ごとに聞き取れても全体でなんの話をしているかわからなくなってしまう経験があるのではないでしょうか。


なぜ外国語では話の内容を覚えるのが難しいのか。
それはイメージ化の能力と関係しています。


人は母語でも外国語でも話を聞く際に1単語ずつ記憶する訳ではなく、話された情報をイメージに変えて短期記憶に貯蔵していきます。外国語を聞く際はこのイメージ化の脳内回路がうまく作られていないために単語ごとに記憶しようとしてしまいます。その結果短期記憶がパンクして話の内容を覚えるのが難しくなるのです。


多聴でまとまった量の英語を理解する努力を繰り返すと、イメージ化の能力が向上し、英語を塊で捉えられるようになっていきます。


例えば"The cost of living is much higher here in NY."と聞いた時に、「The cost=費用、of=の、living=生きる。あ、生きる費用=生活費ってことか」みたいに単語ごとに処理せず、「NYは生活費が高いのか」と一瞬で脳内変換できる力が磨かれ、会話の内容自体に集中できるようになっていくのです。


僕自身もポッドキャストで多聴を始めてから英会話での瞬発力が上がり、聞き返して会話の流れを止めてしまう、ということが格段に減りました。英会話だと聞き取れないと気まずい空気が流れますが、発言を求められないポッドキャストは秘密の多聴特訓にピッタリです。


根気よく多聴を続けた先には英語を塊で捉えられる自分が待っていることでしょう。




真のリスニング力が鍛えられる


音声付き長文読解テキストやTOEICなど、リスニング学習の典型的な参考書は発音が明瞭で聞き取りやすいです。


しかしその英語はあくまで「学習者向けに加工された音声」。実際に話される自然な英語は言い淀んでいて聞き取りにくかったり、文法的におかしい言い直しを含んだりします。


さらに音声付きテキストを使ってリスニング学習をする際やリスニング試験を受ける際は、机にかじりついて英語音声に全神経を集中しています。


しかし英語会議や友人との英会話など、実際に英語を聞く場面ではそのように全集中しながら聞く状況の方が少ないです。自分の発言を考えながら、ご飯を食べながら、など何かをしながらでも英語を聞き取る余裕が必要なのです。


言い直しを含む自然な英語をリラックスモードで聞く訓練を通して、真のリスニング力を鍛えることができるのがポッドキャストの魅力の一つです。



言い直しを含む自然な英語のインプット


学習者向けに加工された英語では言い直しはほとんどありませんが、実際に話される生の英語では文の途中で言い淀んだり、言い直すこともしばしばあります。


教科書で習った通りの文法に従って話されるとも限りません。


母語で考えてみても、アナウンサーがニュースを読む際に使う綺麗な日本語と日常生活で友達や同僚と雑談する時の日本語では全然違いますよね。英語も同じく話し言葉では言い直しも書き言葉では使わないような表現もガンガン出てくるのです。


例えば下の文は京都に住んでいるアメリカ人のゲストが家賃について聞かれた時の発言です。

Japan is not that cheap either, but, you know, we have a couple of kids. We have uh her family is here. We’re also not in Tokyo. We’re living in Kyoto, which is like the smallest city. We’re in the suburbs. So, comparatively speaking, the cost of living is much, much cheaper.
引用元:Luke's ENGLISH Podcast episode729



We have~と言いかけて、"Her family is here".と新しく言い直していますよね(たしか奥さんが京都出身だったと思います)。自分たちが日本語を話す際も言い直しは日常茶飯事なので英語でも言い直しがあるのは当然と言えば当然ですが、綺麗に加工された英語音声しか聞いてないとこういった言い直しに対応する力が身につきません。


ポッドキャストで言い直しも含む未加工の英語を聞き取る力を磨いていきましょう。


リラックスモードで聞く訓練


先ほど全神経を英語の音声に集中させるリスニング試験のような状態は非日常だという話をしました。全集中の呼吸を発動しなければ英語を聞き取れないようでは自分の発言も考えながら英会話をこなすことなど無理ゲーです。


そこでポッドキャストです。


散歩や料理など耳が空く作業をしながらポッドキャストを聞くことで、何かをしながらリラックスモードで英語を聞き取る力が磨かれていきます。ポッドキャストを継続すれば日本語でテレビ番組を流し見する時のように脳みそに余力を残しながら英語を聞き取れるようになっていくということです。


リスニング参考書ではスクリプトを読みながら1語1語立ち止まったり、海外ドラマでは英語字幕を使って文字に集中したり、耳だけを使ってリラックスモードで英語を聞く訓練がなかなかできません。


もちろん1語1語分析しながら聞く精聴にも意味はありますが、それだけではインプット量が圧倒的に足りず、脳に余力を残して聞き取れるようにはなりません。


常にたっぷり時間を使って英語を聞く精聴しかやっていないと、実際の英会話ではリスニングで精一杯なので、文脈に合わせて即座に反応する力も育ちません。ポッドキャストを活用して何かを作業しながら英語を聴きまくる世界に飛び込んでみましょう。


僕の場合はポッドキャストを聞きたいがために朝夜散歩1時間ずつとかしてましたが、そのおかげで3キロ痩せました。ポッドキャストにはダイエット効果もあるようです。



スピーキング力も伸びる


ポッドキャストにはスピーキング力が伸びるというボーナスも付いてきます。


多聴で英語をかたまりごとに理解するトレーニングを積むと、徐々に自然に聞こえる英語のかたまりが感覚的に理解できるようになっていきます。自分が英語を話す際も脳に蓄積された感覚的データを呼び起こし、自然な英語が口をついて出てくるようになってきます。


例えば英語では生活費を「the cost of living」と言いますが、「the cost of life」や「the price of living」のような言い方はしません。ネイティブ同士が家賃について話しているシーンを聞いていれば、「the cost of living」という音のかたまりが脳に残り、自分が生活費について話す際も自然にそのフレーズを使えるようになっていきます。


ポッドキャストでスピーキング力が上がることを裏付けるインドネシアの研究もあります。実験に参加した30人の大学生はポッドキャストをメインの教材とした80分x3回の授業を受け、その前後で「英語音声を聞き、その内容を自分で英語で話す」というスピーキングテストを受けました。結果は平均点が58.3→70.5と大幅に伸び、ポッドキャストの有効性が確認されています。


話のネタが増える


上記の実験では特に発音・流暢性が向上したそうですが、特定のテーマについてネイティブが話すのを聞くと自分も同じテーマについて多少流暢に話せるようになる、というのは感覚的にも理解しやすいと思います。


例えば「茶道について3分間即興スピーチをしてください」と言われたら日本語でもそれほどスラスラとは話せないのではないでしょうか。


茶道部だったり由緒正しき家に生まれた茶道マスターでもない限り、「お茶を作るのになんだかルールがあって、、日本では結構有名な伝統文化でして、、、あと千利休がなんか茶道の有名な人だとかなんだとか。。。」のようにしどろもどろになってもおかしくありません。


しかし茶道の番組やラジオを何回か視聴すれば、「茶道とは静かに抹茶を立てて味わうことを通して、亭主と客人との精神的な交流を重んじる儀式で、日本の伝統文化の一つです。日本にお茶が広まったのは栄西という僧が中国からお茶を持ってきたのが始まりと言われています。その後室町時代に茶室や茶道具を揃えて亭主と客人の交流を重んじる「わび茶」が成立し、千利休を中心として現代の茶道が〜(以下3分うんちく語り)」のように流暢に話せる可能性があります。


要するに音声を通して茶道について話すのに必要な知識・用語が身につくと、自分も茶道について前よりは上手く話せるようになるという訳です。


話すための用語が身に付く


英語の場合も音楽や歴史、料理など自分が好きな特定の分野のポッドキャストを聞けばそのテーマの話のネタが仕入れられるのはもちろん、声のトーンや相槌の打ち方といった話し言葉の知識・感覚が磨かれ、自然とネイティブに近い言葉選びをするようになっていきます。


例えば「(zoomなどの)音質が良くない」を英語で何と言うかパッと思い浮かびますか?


普段の英語インプット量が少ないと、「主語はthe quality of the soundか?いやthe quality of the voiceの方が良いのか?」等々いろいろ考えてしまいそうですが、ポッドキャストを聞きまくると「the audio is bad」のようにシンプルにthe audioという主語がよく使われていることに気づきます。


さらにポッドキャストの良い点は、「音質が良くない」のようなフレーズだけでなく、fix(直す)などそれに関連する用語もネイティブが発する自然な英語を通して一気にインプットできてしまうことです。


先ほど言い直しの例として紹介したポッドキャストの、音質について話しているシーンを引用しておきます。

The audio is not tip-top this time around, and that was caused by things like microphone echo, which I have managed to fix…
引用元:Luke's ENGLISH Podcast episode729



tip-top(最高)などの口語表現に加えて、頻繁に使われるthings like, whichなど自然な話し言葉も自分のものになっていきます。


音質の話はあくまで一例で、引用した音声は5秒程度のものです。


仮に毎日1時間も聞けば相手に質問をするためのフレーズやつなぎ言葉など、自然な話し言葉のデータが大量に脳内にストックされ、スピーキング力が向上していくのは簡単に想像できるのではないでしょうか。




わからない箇所はスクリプトで確認するべき?


ポッドキャストを聞く際に出てくる悩みが「わからない単語や表現が出てくるたびにスクリプト(英語テキスト)で確認するべきか」という問題です。


結論から言うとスクリプトは使わず、多聴を優先することをおすすめします


第二言語習得論の権威であるKrashenは、comprehensible input(理解できるインプット)を増やすことが外国語習得に最も重要だと提唱しています。


そしてポッドキャストの最大の目的はこのcomprehensible inputを増やすこと。7割以上聞き取れる内容のものを隙間時間を駆使して大量に聞くことにより、英語を無意識的に理解する脳の回路を作っていくことが狙いなのです。


仮にスクリプトと辞書を活用して10分の音声を100%理解するのに1時間かければ10分のcomprehensible inputですが、7割の理解で1時間の音声を聞けば60分x7割=42分のcomprehensible inputになります。英語を大量処理すると言う意味では当然精聴より、多聴の方が適している訳です。


文法演習や構文解釈などの受験型英語学習に慣れた日本人学習者の多くは耳からのインプットが少なくなりがちです。発音や意味を細かく分析するのは長文テキストを使った精読・シャドーイング英語字幕付き海外ドラマ学習に任せ、ポッドキャストは隙間時間の多聴に振り切るのが個人的にはおすすめです。


とはいえ多聴の時間をしっかり確保した上で、スクリプトを用いて一つ一つ意味を確認する精聴をやれるのであればもちろん大賛成です。くれぐれも精聴というプレッシャーでポッドキャストを聞く時間が減る事態は避けてくださいね。




英語初心者もポッドキャストを聴くべき?


「ポッドキャストを半分も聞き取れない」
「TOEIC600以下」
「読みはいけるけど簡単な英会話でも聞き取りに苦戦する」


上記のように英語リスニング初心者と言える状態の場合は、英語の音自体をきちんと聞き取れていない可能性が高いので、耳だけに頼るポッドキャストはおすすめしません。まずは精読・シャドーイングで音を聞き取る力、音声知覚を鍛えるのが先決です。


参考書を使ったシャドーイングだけだとbored to death、つまり死ぬほど退屈だと思いますので、Easy Englishなどの英語字幕付きの学習者向けYouTubeや洋楽学習で英語音声を聞き取る基礎体力をつけると良いでしょう。


耳が空いている時はシャドーイング用音声や歌詞の分析が終わった洋楽を流し込み、隙間時間を有効活用して英語耳を作り上げていきましょう。



レベル別おすすめポッドキャスト6選


ポッドキャストの効果と注意点がわかったところで、いよいよおすすめのポッドキャストを6番組紹介していきます。


実際に僕自身も半年以上聴き続けられることができたものだけをピックアップしていますので、1つでも興味がある番組が見つかれば幸いです。


各番組のタイトル横に1エピソードあたりのおおよその時間を括弧書きしていますので、そちらも参考にしてくださいね。


また、各タイトルがホームページへのリンクになっていますが、Androidの方はGoogle Play、iPhoneの方はApp Storeのポッドキャストアプリで検索して気になった番組をチャンネル登録するのが便利だと思います。



英語学習中級者向けポッドキャスト


下記2つの番組はどちらもイギリスのBBCが提供する英語学習者向けの番組です。発音が明瞭で聞き取りやすく、時間も1エピソード5分前後なのでポッドキャストデビューにはもってこいです。


The English We Speak(2~3分)


毎回イギリスの口語表現を例文とともにわかりやすく説明してくれる1話2-3分の番組。イギリスの口語表現といっても"slippery slope"や"talk the talk"など、アメリカを含む全世界でも使われている口語がほとんどです。


これまで参考書やニュースなどの硬い英語メインで学んできた方には、海外ドラマなどに出てくる簡単な単語を組み合わせて使う口語が得意でない方も多いのではないでしょうか。そんな口語表現アレルギーを改善してくれるのがThe English We Speakです。


口語表現を英語で説明する雰囲気を掴んでもらうために、抜粋を載せておきます。

Man: Would you like to play some online games with me?
Woman: Sure thing. I'm down for that.
Man: I'm sorry to hear that. Why are you so sad?
Woman: No, Neil. I said, "I'm down for it", which means I'm happy to do it or I'm interested in doing it.
引用元:The English We Speak – July 20, 2021



このように毎回2人の会話形式で放送され、1人がテーマの口語(今回はdown/up for that)を使い、もう1人がその口語を知らないテイで間違って解釈します。それを"I'm happy to do it."などのわかりやすい英語表現に置き換えて訂正した後に、その口語を使った複数の自然な例文が登場します。


毎回片方がテーマの口語を知らない状態で進むので、視聴者としては感情移入がしやすく、最初の多聴トレーニングとしても最適でしょう。毎日2-3分継続して口語表現に慣れていくと海外ドラマが見やすくなっていきますよ。


6 Minute English(6分)


毎回6分間で"Is technology harmful to youngsters?"や"Flexible working"など、決まったテーマについて2人がディスカッションする番組。


比較的身近なテーマについてのディスカッションで、TOEICなどのリスニング参考書からの延長で取り組めるため、ポッドキャストデビューに適しています。


以下のように自分の意見を展開するための英語がいっぱい登場するので、英検やIELTS・TOEFLなどのスピーチの参考にもなりますよ。

Reducing screen time is important, because nowadays most video games and social media are designed for addiction...
引用元:6 Minute English Sep 6, 2021



そして最後に会話に登場した難しそうな語彙や"smoking gun(煙が出ている銃=動かぬ証拠)"などのイディオムをまとめて解説してもらえるので、少々聞き逃しても語彙を増やしやすいと思います。


次に紹介するもっと難易度の高いポッドキャストに挑むための実力を培うためにBBCシリーズを活用してみてはいかがでしょう。



英語学習上級者向けポッドキャスト


続いて紹介する2つの番組も英語学習者向けに収録されたものです。


しかしBBCシリーズのようにカッチリとした構成ではなく、カジュアルな会話・語り口調で収録されています。その分リスニングの難易度が少し上がるかもしれませんが、英語文化への理解を深め、よりネイティブらしい英語を身につけるのに大いに役立ってくれるはずです。


All Ears English(10~20分)


毎回リスナーからの質問や英語学習者が気になる問題をテーマにアメリカ人女性LindsayとMichelleの2人がハイテンションでトークを繰り広げる番組です。


"You can say that again!" "What can I tell you?"などの日本語には訳しにくいフレーズがどう使われるのか、"How to express your wants and needs in the business english world”のように特定の状況ではどんな表現を使えば良いのかなど、具体例盛りだくさんでディスカッションしてくれるのでスピーキングにもめちゃくちゃ役立ちます。


さらにLindsayとMichelleは良い意味で話が脱線しまくります。会話のテンポが良いので、聞いていて飽きません。そして2人の掛け合いを継続して観察していると、会話を盛り上げるための相槌や話の振り方がわかってくるはずです。

"Can't you let it slide one more time? I promise I won't be late again." This is like a teenager talking to their parents and they came on late, past curfew... um... Did you have a parent, this always kind of makes me think Michelle, I always ask people this. Did you have one parent, there's always one parent that's more lenient, right? and like who was that for you?
引用元: All Ears English Aug17, 2021



上記はlet it slide(大目に見る)など、slideを使った表現を具体例とともに紹介するシーン。ここでも子供が親に許してもらおうとするセリフから派生して、LindsayからMichelleに「母親か父親どっちの方が優しいとかあった?」と話を振っています。(そしてこの後盛り上がります)


毎回英語学習者向けのトピックとは言え、ネイティブ2人が手加減なしのナチュラルスピードで会話を展開するので最初は聞き取りに手こずるかもしれませんが、1-2週間継続して聞いていれば徐々に2人のノリに慣れてきて聞き取れる部分が増えてきます。


All Ears Englishでネイティブ同士の会話聞き取りデビューを果たしてみてはいかが?



Luke's ENGLISH Podcast(1時間前後)


イギリス出身のコメディアン兼英語教師のLukeが「アメリカ英語とイギリス英語の違い」「リスニングの大切さ」「英語圏で使われるユーモアについて」など、英語全般についてモノローグやインタビュー形式でお話する番組です。


Lukeはナチュラルスピードで喋っていますが、英語教師の経験のおかげかとても滑舌が良く、非常に聞き取りやすいです。そしてさすがコメディアンという感じで、「How to Learn English」などの真面目なトピックでも面白おかしくトークを繰り広げてくれ、長尺なのに飽きずに多聴を継続できます。


僕自身もポッドキャストデビュー時からLuke's English Podcastをほぼ毎日聞くのが習慣になり、リスニング力・スピーキング力が爆伸びしました。


さらに番組内で英語圏の文化やユーモアの種類などをわかりやすく解説してくれるので、ただ英会話力が伸びただけでなくSitcomやその他トークショーをより深く理解し、楽しむことができるようになりました。


自分もユーモラスな英会話を繰り広げたいという人はLuke's English Podcast必聴です。



ネイティブ向けポッドキャスト


ここまでで紹介した番組は全て学習者向けの番組です。
ナチュラルスピードで収録されているものでも、やはりテーマは英語学習者でもわかりやすいものが選ばれています。


以下で紹介する2つは完全にネイティブ向けの番組ですので、継続して視聴していれば一段と英語力に磨きがかかるでしょう。ネイティブに近い英語力を手にしたければネイティブが聴くのと同じものを聴けば良いのです。


ネイティブと間違えられるよう日も遠くないかも?


No Stupid Questions(30~40分)


売上500万部を越える大ヒット本「Freakonomics」の共著者Stephenと、日本でも有名な「やり抜く力 GRIT」を書いた大学教授Angelaによる会話・ディスカッション形式の番組。


「他人と比較するのをやめるには?」「読書しないとダメなのか?」「どうやったら相手が間違っていると説得できるのか?」など、日常的なテーマについて論文等をリサーチして面白い仮説を展開してくれます。


ベストセラー作家同士の会話はウィットに富んでいて、簡単な意見でも科学的根拠を引用してくれるので英語力がアップできるだけでなく、普通に役立つ知識が身に付きます。


正確な例えかわかりませんがメンタリストのDaiGoさんが2人いて、対談しているような感じと言えば近いかもしれません。


知的好奇心が高い人には超絶おすすめです。



The Wally Show Podcast(40~50分)


パーソナリティはアメリカの男女4人組で特に決まったテーマはなく、「最悪だった初デート」「一人っ子の特徴」「トイ・ストーリー4」の感想など、幅広い話題について4人で面白おかしく話し合ったり、視聴者の体験談を紹介したりと、ただただ会話を楽しむだけの番組です。


この番組は複数のネイティブ同士の自然な会話が収録されていますので、ネイティブの日常会話スピード、あるいはそれ以上のスピードで話される英語に慣れることができます。


実際僕もこの番組を聞き始めてから洋画や海外ドラマで話される英語のスピードが余裕になり、仕事やパーティで複数のネイティブと話す際もその会話スピードにひるむことが無くなりました。


学習者向けポッドキャストが聞き取れるようになってきたらぜひ挑戦してもらいたい番組です。



まとめ:ポッドキャストで多聴を極めよう


さて、6つのポッドキャストを紹介しましたが、気になるものはありましたでしょうか?


もちろん上記6つの他に自分の興味のある分野のポッドキャストがあればどんどん開拓していってほしいです。僕もひたすら恋愛について話している番組や下ネタ垂れ流しポッドキャストを聞くこともあります。


Googleで"Best podcasts for relationships(baseball, money etc.)"のように検索すれば面白そうな番組が結構たくさんヒットしますよ。



ポッドキャストを聞く際は最初の1歩が一番重いです。


思いたったが吉日。
今からマッハで1エピソードダウンロードして散歩に出かけて見てください。
Go go!



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プロフィール

管理人: マルチリンガルジョニー

 

高校中退→1浪→京大法学部→セブ留学(1ヶ月)→上海留学(1年間)→専門商社就職→香港駐在→2年で退社→韓国でフリー→医学部受験講師

 

モットーは『語学=ライフスタイル』
話せる言語は日・英・中・韓・広です。
TOEIC990。新HSK6級。

 

英語独学奮闘中の方を応援します。

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