文法

『仮定法・時制』仮定法過去・過去完了・現在・未来 / If I could have の原理・時制を一挙解明!

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仮定法が英語文法の中で一番ややこしいという声をよく聞きます。

英語の仮定法は日本人の感覚ではなかなか馴染みがないと思います。複雑な仮定法を使った文章の意味が取れない、あるいは読んで理解するのはなんとかなるけれど、書いたり話したりする際に自信を持って使えないという英語学習者の方は多いのではないでしょうか?

しかし心配は無用です。

仮定法には明確なルールがあり、一度きちんと原則を理解すれば応用が効きます。

この記事を読めば仮定法を使った文章をノリと雰囲気で読み流すことがなくなり、ネイティブとの会話でも臆することなく仮定法を操ることができるようになるはずです。

記事の構成としては、仮定法過去・過去完了の基本と仮定法未来・現在の使い方を説明し、応用編ではIf節の省略や倒置などについて解説します。
そして理解せずに放置してしまいがちな仮定法の時制についても具体例と共に解説しているので、この際に一気に仮定法をおさらいすることができます。

なお、仮定法だけでなく英文法学習の全般について知りたい方は下記の記事も合わせてチェックしてくださいね。






それでは仮定法の世界を覗いてみましょう。

仮定法過去

・If I were a bird, I wouldn't need to buy a flight ticket.
(もしも私が鳥だったら、航空券を買う必要はないのになあ。)

なぜ過去のことを話している訳でもないのに過去形を使うのでしょうか。

答えは一言、『現実との距離』です。

過去形は単純な過去だけでなく丁寧な表現や仮想の世界、と複数のニュアンスを出すことができます。過去・丁寧・仮想と聞くとバラバラの意味を過去形に詰め込みすぎやろ!とツッコミたくなると思いますが、実はこれらも全て『距離』という概念で共通しています。

・過去の出来事→現在との時間的な距離
e.g. I bought a flight ticket to Seoul three days ago.


・丁寧な表現→心理的な距離
e.g. Could you buy a flight ticket for me?


・仮想の世界(仮定法)→現実世界との距離
e.g. If I had more money, I would upgrade to Business Class.

韓国行きのチケットを調べながらの作業だったので例文が全部航空券関係になってしまいました、、

このように過去形は距離によって様々なニュアンスを出すことができます。

仮定法は過去形を使うことによって現実と距離のある仮想の世界を表すことができ、事実とは異なることや現実には起こりそうもないことを表現するのに使われるのです。

仮定法過去完了に進む前にもう一つ例文のプレゼントです。

・If you had Anywhere Door, where would you go?
(もしどこでもドアがあったら、どこに行くかい?)

仮定法過去完了

・If he had studied harder, he would have passed the exam.
(もし彼がもっと一生懸命勉強していたら、試験に通っていただろう。)

仮定法過去でも十分ややこしいのに過去完了って!脳がフリーズしてまうわ。

そんな仮定法過去完了恐怖症も今日で解消しちゃいましょう。

先ほど過去形は過去・丁寧・仮想と距離によって複数のニュアンスを出せるということを見ました。

では過去の出来事でかつ仮想の世界だった場合はどうなるのか。
現在との時間的な距離+現実との距離の二段階距離を出す必要があるので、ここで過去完了が登場するわけですね。

助動詞の過去形からさらに一段階距離を出したい時は、would→would haveのように助動詞の過去形+haveという形で対応します。haveは現在完了で使われるように完了の意味があるので、時系列を一段階遡る意味を出すのに向いているのです。

この助動詞過去形+haveの形ですが、時々If節の中でも使われていることがありますが、文法的に正しいのでしょうか。

If I could/would have~ (非標準)

非標準だけどネイティブがよく使う仮定法の表現に、If S could have + 過去分詞というものがあります。例文を使って確認してみましょう。

If I could have stopped gambling at that time, I wouldn't have lost 10 million yen.
(ギャンブルをあの時止められていたら、1000万円を失うことはなかったのに)

If I could have stopped の部分はIf I had stoppedに変えるべきだという保守派の意見もありますが、文法について少し考えて見れば論理的におかしい部分はないことがわかります。

話をシンプルにするためにまずはIf節に仮定法過去couldを使った例文をみてみましょう。

・If I could stop gambling now, I would not be in trouble.
(今私がギャンブルを辞められるなら、困ったことにはならないだろうに。)

ギャンブルを辞められる可能性が限りなく低い(現実との距離)ので仮定法過去を使っています。また、ギャンブルを辞められる能力・可能性というニュアンスを出すためにcanの過去形couldを使うのも自然と言えますし、実際にIf S could〜の形は標準的用法として確立されており、文法的に間違いだという批判もほとんどありません。

この前提に基づいて、先ほどのIf S could have + 過去分詞を使った例文と比べてみましょう。

・If I could stop gambling now, I wouldn't be in trouble.

*could→could have(現実との距離+現在との距離)
*wouldn't →wouldn't have(現実との距離+現在との距離)

・If I could have stopped gambling at that time, I wouldn't have lost 10 million yen.

こうして比べてみると帰結節のwouldn't→wouldn't haveと全く同じように過去のことになり現在との距離が加わることでcould→could haveに変化していることがわかります。

また、現在の仮想で能力、可能性のニュアンスを出すためにcouldを用いることができるのであれば、過去の仮想の場合だけ使えないとするのは非合理的です。

つまり時制的にも意味的にもIf節の中でcould haveを使うのは文法上間違いじゃないと言えそうです!(私個人の見解です。)

この形を使ったフレーズの例として、テスト勉強をなんでもっと早く始めなかったんだ、など過去の怠慢を責められた際にIf I could have, I would have.
 (もしできるならそうしていたよ。)と言うことがあります。

これは実際にアメリカ人の友達が中国語の試験に落第し、日本人の女の子に叱られた際に言っていました。少し言い訳っぽく聞こえますが、仕方なかったんだよ!と言い返す際に便利な表現ですね。

英語圏での仮定法の区分(プチ情報)

日本では仮定法過去、仮定法過去完了、仮定法現在等と区分されている仮定法ですが、英語圏ではもっとシンプルにZero, First, Second, Third Conditionalと分けられています。

・Zero Conditional: If water reaches 100 ℃, it boils.
*ある条件とその結果についての一般的な事実。(未来の仮定ではない)

・First Conditional: If it's sunny tomorrow, we'll play soccer.
*将来起こりうる仮定。

・Second Conditional: If I were you, I wouldn't go out with that guy.

・Third Conditional: Things would have been different if he had been the leader.

日本の文法書では一般的に仮定法として扱われるのはSecond Conditional(仮定法過去)とThird Conditional(仮定法過去)ですね。

Zero ConditionalとFirst ConditionalはただのIfを使った副詞節として取り上げられ、いわゆる仮定法には区分されないことが多いです。

上記のようにZero〜Thirdと段階的に考えるとわかりやすいかもしれませんね。

一番厄介な仮定法過去完了をマスターしたらもう怖いものはありません。続いて仮定法現在・未来をみてみましょう。

仮定法未来

仮定法過去・仮定法過去完了は現在あるいは過去において、現実と異なる仮定をする際に使われる表現でした。

それに対して、未来において高確率で現実にはならなそうなことを仮定する際に使われる表現が仮定法未来です。

ここでも例文を見ながら解説していきますね。

・If he were to switch from an office worker to a professional baseball player at the age of 45, he would hit the headlines.
(もし彼が45の歳で会社員から野球選手に転身したら、ニュースで大々的に取り上げられるだろう。)

・If you should be able to marry the president of the company, that will be a huge financial success.
(もし君がその会社の社長と万一結婚できれば、お金的には大成功だね。)

仮定法未来で注目すべきなのは、帰結節において仮定法過去(1文目)と単純未来(2文目)の両方を使うことができる点です。
限りなく可能性が低く、ほとんど現実と反対の仮定をしているイメージであれば、仮定法過去。少し可能性が低い単なる未来の仮定であれば、単純未来の形を使うのが普通です。

2つの例文に照らし合わせて見て見ます。

まず1文目、If + S + were to 〜で『仮に〜だとすれば、』という表現です。
彼が現在45歳で月に1~2回草野球を楽しんでいる会社員だとした場合、プロ野球選手に転身する可能性は限りなく低く、帰結節には仮定法過去wouldを使うのが妥当と言えるでしょう。

もちろん夢に年齢は関係ない、可能性は十分にある!という素晴らしい意見は大歓迎で、そういう文脈では単純未来を使っていいと思います。ただその場合were to〜自体が実現の可能性が低いというニュアンスを含んでいるので、条件節にshouldを使うか、If he switches〜のように単純な仮定にした方がいいですね。

次に2文目If + S + should 〜で『万一〜なら』という表現です。
ここに出てくるyouが取引先の社長に個人的に食事に誘われているとした場合、可能性が低いとはいえ、玉の輿もあり得る話です。
そんな時はうまくいって欲しい!という願いも込めて単純未来のwillも使うことができます。(もちろん仮定法過去wouldを使っても問題ありません。)

最後に仮定法未来で注意しなければならないのは、完全に現実と反対のことを仮定することはできないということです。あくまで未来において可能性の低い出来事を仮定する表現なので、可能性がゼロの場合は仮定法未来ではなく、仮定法過去を使わなければならないのです。

・If he were (×should be) alive, he would be about 200 years old.
*彼が生きていればというのは現実と反対の仮定のため、仮定法未来はNG。

以上、未来において高確率で現実にはならなそうなことを表現する仮定法未来についてでした。続いて仮定法現在を見ていきましょう。

仮定法現在

仮定法現在の用法の解説に入る前に、ルーツを簡単に説明します。

・If she comes to the party tonight, I'll ask her out.
(もし彼女が今夜パーティーに来たら、デートに誘うよ。)

この例文のように未来の時・条件を表す際は現在形を使うというのは馴染み深いと思いますが、昔は動詞の原形が使われていました。現在ではこの用法が慣用句などに残っています。

 ・If need be, I'll come with you.
(もし必要があれば一緒に行くよ。)
*be動詞には存在の意味があるので、need be→必要が存在するというイメージ。there is 〜構文に相当。

このように動詞の原形には未確定の感覚があったのです。(←ここ重要)
口語で使われるうちに原形ってなんか変じゃね(she comeなど)となり、未確定の条件を表現するのに現在形が使われるようになっていきました。

仮定法現在の用法(that節内)

未確定の感覚を持つ動詞の原形(if節内)が仮定法現在のルーツであることを確認しました。

ですがif節内の原形動詞は今ではif need beなどの慣用表現や、法律文書などの格調高い(=わざと難しく書き、カッコよさを演出している)文体でしか用いられません。

現代用法では仮定法現在はthat節内でよく用いられます。(受験にTOEICにどんどん出題されるやつです。)例によって例文を見つつ理屈を解明していきましょう!

・Some employees insisted that the weekly meeting be abolished.
(何人かの社員が毎週の定例会議を廃止するべきだと主張した。)

・It is important that second foreign language courses should be introduced in high school.
(高校で第二外国語コースを導入するのが重要である。)

・The manager demanded that his salary not be cut down.
(マネージャーは自分の給料を削減しないよう要求した。)
*notが仮定法現在の前に置かれる事に注意

上記例文のように仮定法現在は命令・要求・提案等を表す動詞、形容詞に続くthat節内に原形で用いられます。

なぜ原形が用いられるのでしょうか?
先ほど紹介した仮定法現在のルーツと関連づけて見てみます。

原形が持つイメージ、それは未確定の感覚でした。
命令・要求・提案の共通点を考えてみると、その具体的な内容が未確定であることです。

例文に合わせて考えて見ると

  • 定例会議はまだ廃止されていない⇨社員の主張は未確定
  • 第二外国語コースは高校でまだ導入されていない⇨提案は未確定
  • 給料が削減されるかどうかはまだ決まっていない⇨要求は未確定

つまり、未確定のニュアンスを持つ仮定法現在は、未だ確定していない内容について述べる命令・要求・提案系の文章と相性が良いのです。

そして仮定法現在は未確定の内容について述べる表現なので、1文目・3文目のように過去形に続くthat節内でも時制の変化は起きず、原形のままです。

また、現代では(特にイギリスで)より直感に近い用法を使っていこうという流れがあるので、2つ目の例文のように仮定法現在の代わりにshould + 原形がよく使われることも知っておいて良いでしょう。

もう一度例文を載せておきます。

・Some employees insisted that the weekly meeting be abolished.
(何人かの社員が毎週の定例会議を廃止するべきだと主張した。)

・It is important that second foreign language courses should be introduced in high school.
(高校で第二外国語コースを導入するのが重要である。)

・The manager demanded that his salary not be cut down.
(マネージャーは自分の給料を削減しないよう要求した。)
*notが仮定法現在の前に置かれる事に注意

仮定法現在も仮定法過去・過去完了・未来と原理は同じだよ

仮定法過去・過去完了は現実と違う仮定、仮定法未来は高確率で現実にならなそうなことに使われる表現でした。
そして仮定法現在は未確定の命令・要求・提案、
つまり現実とは違う理想について述べる表現なのです。

これら全ての仮定法に共通するのは現実と離れた内容について表現しているということです。
仮定法の原理は『現実と対極』と理解しておいて問題ないでしょう。

仮定法現在と直説法で意味が変わる動詞

suggestやinsistなどの動詞に続くthat節内で仮定法現在が使われる場合と、直説法(普通の現在形や過去形)が使われる場合とで意味が異なることがあります。

・She suggested that he go to the dentist.
(彼女は彼が歯医者に行くことを提案した。)
仮定法現在

・Are you suggesting that I am stupid?
(お前は俺がバカだと言いたいのか?)
直説法

・Yusuke insisted that he be the leader.
(ユースケは自分がリーダーになるべきだと主張した。)
仮定法現在

・The suspect insisted that he was innocent.
(容疑者は自分は無罪だと主張した。)
直説法 *that節内は時制の一致

仮定法現在の場合は現実にはなっていない理想の状況を提案、主張しています。
それに対し、直説法の場合は単にthat節の内容を主張したり示唆したりしているだけです。

直説法の場合、that節の内容は現実かもしれないし、現実でないかもしれないことに注意です。

以上、文法の豆知識でした。

応用編(省略・倒置・混合)

ここまで仮定法過去・過去完了・未来・現在、と仮定法の原理について解説しました。

仮定法過去・過去完了の章では、仮定法原理の理解に集中していただきたかったため、各例文は条件節(Ifを使った部分)と帰結節(主語と述語がある文の中心部分)を伴った基礎的な構造のものを使ってきました。
e.g. If I were a bird(条件節), I wouldn't need to buy a flight ticket(帰結節).

しかし、人間というのは何でもアレンジしたくなるもので、仮定法もいつも基本の形ばかり使うとは限りません。

そこでこの章では応用編として以下の3つを取り上げます。

  1. 条件節or帰結節の省略
  2. 倒置
  3. 仮定法過去と仮定法過去完了の混合

仮定法の原理と照らし合わせながら考えてみてくださいね。

条件節or帰結節の省略

仮定法は描写に優れた表現なので、条件節あるいは帰結節のどちらかが省略されても文として成立することがよくあります。

論より証拠ということで条件節の省略、帰結節の省略それぞれの例文を見て学んでいきましょう。

条件節の省略

・I would apologize to her right away.
(俺だったら彼女にすぐ謝るよ。)

・You could have made a great teacher.
(君はいい先生になれたかもね。)
*説明の上手な友達に対して。(職業は教師じゃない)

・I couldn't agree with you more.
(全く同感やな。)

1文目は仮定法過去を使った私なら、あの人ならこうするという異なる立場の意見や予想を表現する形です。
What would you have done?(あなたならどうしてた?)など仮定法過去完了も使うことができます。

2文目はすでに銀行員やミュージシャンなど別の道を歩んでいる人に対して、教師の道でも成功してたかもね、と褒める表現です。仮定法過去完了を使って現実とは異なる結果について話しているのですね。
You could have been hit by a car!(車に轢かれてたかもしれないでしょ!)と危ないことをした子供を叱る表現も作ることができます。

3文目はこれ以上強く賛成することができない、つまり大賛成という意味の表現です。
反対にI couldn't agree with you less. とすればこれ以上弱く賛成することはできない(賛成の度合いを下げることはできない)、つまり全然賛成できないという意味になります。

参考までに多少不自然な部分もありますが、条件節を補った例文を載せておきます。

・I would apologize to her right away, if I were you.
(俺が君の立場だったら、彼女にすぐ謝るよ。)

・You could have made a great teacher, if you had gone for it.
(もし君がその道を目指していたら、いい先生になれたかもね。)
*説明の上手な友達に対して。(職業は教師じゃない)

・I couldn't agree with you more, even if I tried.
直訳:(仮に試してみても、これ以上強く賛成することはできない。)
自然な訳:(全く同感ですね。)

帰結節の省略

・If only I had money!
(お金さえあればなあ。)

・If I had booked a ticket earlier!
(チケット早く予約してればなあ。)
*行きたかったコンサートのチケットが売り切れてしまった時。

・As if you didn't know.
(知らんぷりしちゃって。)

1文目はIf only + 仮定法過去(仮定法過去完了もOK)を使った慣用表現です。
I wish + 仮定法過去/過去完了と意味は同じで、〜だったらなあと現実と違う願望を表すフレーズです。

2文目は純粋な帰結節の省略です。
これは慣用表現ではありませんが、使い方はIf only〜, I wishと同じですね。
仮定法過去/過去完了を使った条件節は非現実の出来事を仮定するので、願望の意味を持つことが多いのです。

3文目はas if + 仮定法過去を使った表現です。
(本当は知っているのに)まるで知らないふりをしているね、と指摘するフレーズです。As if I care. のように直説法を使うこともできますし、Like I care. のようにLikeで置き換えることも可能です。
*詳しくは次の時制の章で解説

ちなみにAs if / Like I care. は、まるで私が気にしてるみたいじゃないか。⇨全然気にしていないし。と無関心であることを表す表現です。

ここでも参考までに帰結節を補ってみましょう。

・If only I had money! I could travel anywhere.
(お金さえあればなあ。どこでも旅行できるのに。)

・If I had booked a ticket earlier! I wouldn't have missed the concert.
(チケット早く予約してればなあ。コンサートに行けたのに。)
*行きたかったコンサートのチケットが売り切れてしまった時。

・You're pretending as if you didn't know.
(まるで知らないかのようなふりをしているわね。)

以上、条件節or帰結節の省略について解説しました。

これからは何かの文章や洋画などでパッと見未完成の仮定法が出てきてもいやいや文法間違ってますやん、とツッコミを入れないでくださいね^^

If の省略による倒置

形式ばった文調ではIfが省略されて、SVが倒置されることがあります。

どんなものがあるのか例文を見てみましょう。

・Please let us know should you have any questions.
(何かご質問がございましたらお知らせください。)

Were I your consultant, I would suggest paying higher salaries to attract more skilled managers.
(私があなたのコンサルタントだったとしたら、給料を上げてより多くのスキルを持った管理職を引き寄せるよう提案しますよ。)

Had World War II ended earlier, millions of lives would have been saved.
(第二次世界大戦がもっと早く終わっていたら、何百万人もの命が救われていただろう。)

1文目はshouldを使ったメール等での定型表現です。
Should you need further information, please contact us.
(追加情報が必要であればご連絡ください。)など、メールやウェブサイトの最後の締めとして使える丁寧な表現です。

2文目は仮定法過去If + S + wereを倒置させた形です。
Ifを使う場合、くだけた表現ではIf I was〜とwereの代わりにwasを使うことができますが、倒置形は形式ばった表現であるため、必ずWere〜で始める必要がある点に注意です。

3文目は仮定法過去完了If + S + had 〜を倒置させた形です。
1文目、2文目と同様、こちらも形式ばった文調なので、文書やスピーチなどで使われることの多い表現です。

Ifを省略しない形と合わせて例文を再掲しておきます。

・Please let us know should you have any questions.
= Please let us know if you should have any questions.
*Should you 〜は定型表現なので、ほぼ倒置形で使われる。

・Were I your consultant, I would suggest paying higher salaries to attract more skilled managers.
= If I were your consultant, I would suggest paying higher salaries to attract more skilled managers.

・Had World War II ended earlier, millions of lives would have been saved.
= If World Ward II had ended earlier, millions of lives would have been saved.

以上ifの省略についてでした。

TOEICなどの資格試験で問題になりやすいので、自分でも文を作って倒置形をマスターしてくださいね。

仮定法過去・過去完了の混合

仮定法過去、仮定法過去完了の章で見てきた例文の通り、一般に条件節と帰結節には仮定法過去&過去形助動詞〜(現在の出来事)、仮定法過去完了&過去形助動詞+have〜(過去の出来事)のように同じ時制の仮定法が使われることが多いです。

条件節が現在の反対についての仮定なら、帰結節も現在の反対についての結論
条件節が過去の反対についての仮定なら、帰結節も過去の反対についての結論、というのがよく起こりやすい形なのです。
(現在の仮定が現在の結論、過去の仮定が過去の結論につながりやすいのは直感的にもお分りいただけるかと思います。)

しかし、意味によっては条件節と帰結節で使われる仮定法の時制が異なる場合があるのです。

  • 過去の事実と反対の仮定→現在の事実と反対の結論
  • 現在の事実と反対の仮定→過去の事実と反対の結論

この2パターン、それぞれ例文と一緒に見ていきましょう。

過去の仮定→現在の結論

まずは分りやすい方から。

過去における条件が変わることにより、現在の結論が変わるということはイメージが湧きやすいかと思います。

皆さんも 『あの時あの人に告白していれば今頃付き合っていたかもしれないな〜』とか妄想することありますよね?

いや、自分は未来しか見ていないという素晴らしい思考をお持ちの方も、文法勉強の為に過去振り返り妄想型思考に少しの間お付き合いください。

それでは例文を見ていきましょう。

・If I had confessed my feelings to her, we might be going out now.
(もし彼女に告白していたら、今頃付き合っていたかもしれないな〜。)
*告白しなかったのは過去。付き合っていないのは現在

・If Kazuya hadn't been in a car accident, he would be a great professional baseball player now.
(もし和也が交通事故に遭っていなかったら、今頃野球選手として活躍していただろうね。)
*交通事故に遭ったのは過去。野球選手じゃないのは現在

・If you had invested in cryptocurrencies back in 2011, you would be a billionaire now.
(もし2011年に仮想通貨に投資していたら、今頃金持ちになっているだろう。)
*仮想通貨に投資しなかったのは過去。金持ちじゃないのは現在

いかがでしょうか?

過去のことについて仮定し、その結果現在がどうなっているか、という話をするのはごく自然であることがお分りいただけたかと思います。

過去の事実と反対の仮定→現在の事実と反対の結論
条件節:仮定法過去完了 & 帰結節:過去形助動詞+原型動詞(仮定法過去の時制)

上記を身につけていただいたところで、続いて反対の現在の仮定→過去の結論について見てみましょう。

現在の仮定→過去の結論

過去の条件が変わることにより現在の結論が変わることはよくありますが、反対はどうでしょうか。

現在の条件が変わって過去の結論が変わるとかタイムスリップやん、Back to the Futureかよ、とツッコミを入れたくなるかもしれません。

しかし、例文を見てみればタイムスリップのような非日常ではなく、ごく普通に話に出てくるシチュエーションだということがわかると思います。

ポイントは『過去から現在まで変わらない事実』。
英語の現在形(事実と反対のことを表す場合は仮定法過去)は今、この時だけを指すのではなく、過去から続く一般的な事実、習慣的な出来事などを表すことができるのです。

それではこのことを念頭に置いて、例文を見てみましょう。

・If she knew about the affair, she would have left you a long time ago.
(もし彼女が不倫について知っているなら、とっくの昔に君と別れているだろう。)
*不倫について知らない状態は現在も続いている。別れなかったのは過去

・If Ken were not rich, he could not have donated 1 billion yen to UNICEF.
(もしケンがお金持ちじゃなかったら、10億円もユニセフに寄付できなかっただろう。)
*ケンがお金持ちなのは現在も変わらない事実。寄付したのは過去

・If my mother tongue were English, I might not have chosen an English teacher as my job.
(もし私の母国語が英語だったら、英語講師を仕事にしていなかったかもしれない。)
*母国語は英語でないのは現在も変わらない事実。英語講師を仕事に選んだのは過去

上記3つの例文は全て現在の事実と反対の事柄を仮定し、それにより変わる過去の結論に繋げています。

このように仮定法過去は現在時点での出来事について仮定しますが、過去から現在までの期間変わらず続く出来事について仮定することもできるのです。
その結果、仮定法過去時制(現在)→仮定法過去完了時制(過去)という一見不合理な形式が成り立つのであります。

応用編はこれで終了とし、なんとなくノリでやり過ごしがちな仮定法の時制について、これまでの内容の復習も兼ねつつ見ていきたいと思います。

次で最後なので一気に読み進め、仮定法の知識を鉄筋コンクリートのように強固なものにしちゃいましょう。

仮定法の時制

まずは仮定法を使っていない基礎的な時制の一致の例文をご覧ください。

・I think she is in her 20s.
(彼女は20代だと思う。)
・I thought she was in her 20s.
(彼女は20代だと思った。)
*現在→過去への時制の一致

・She believes that I was a baseball player.
(彼女は私が野球選手だったと信じている。)
・She believed that I had been a baseball player.
(彼女は私が野球選手だったと信じていた。)
*過去→過去完了への時制の一致

このように主節の動詞が現在形から過去形に変わるのに合わせて、従属節の動詞が現在形→過去形(1組目)、過去形→過去完了形(2組目)へと変化する時制の一致はシンプルに時制を一段階ずらしているだけで、比較的理解しやすいかもしれません。

それでは仮定法の時制はどうなのでしょうか。

結論から言うと『時制の一致はしない』です。

仮定法現在の時制については仮定法現在の章で説明した通りなので、そちらでご確認ください。仮定法現在は未確定の命令・要求・提案等を表す表現なのでいつでも原形が使われるんでしたね。

この章では仮定法過去、仮定法過去完了に分け、なぜ時制の一致が起きないのかも含めて考えていきましょう。

仮定法過去の原理『現実との距離』、仮定法過去完了の原理『現実との距離+現在との距離』を思い出しながら読み進めてくださいね。

仮定法過去

・He looks as if he were being chased by something scary.
(彼はまるで何か恐ろしいものに追いかけられているように見える。)

・He looked as if he were being chased by something scary.
(彼はまるで何か恐ろしいものに追いかけられているように見えた。)

*はたから見れば実際には何にも追いかけられていない。

1文目は現実との距離がありますが、現在についてなので、仮定法過去を使っています。

2文目は現実との距離があり、さらに過去について述べています。
この場合『現実との距離+現在との距離』で仮定法過去完了を使いたくなってしまいますが、どうなのでしょうか。

答えはここでも仮定法過去を使います。

主節の動詞(例文ではlook)の後に続く仮定法の時制を考える際のポイントは、『現実との距離+現在との距離』ではなく、『現実との距離+主節動詞との時間的な距離』です。

1文目: 追いかけられている(仮想)のとそのように見えるのは同じ現在。
→現実との距離のみ
2文目: 追いかけられている(仮想)のとそのように見えるのは同じ過去。
→現実との距離のみ

このように主節動詞lookと仮定法の内容に時間的な距離がないので、lookが現在形か過去形かに関わらず、両方仮定法過去が使われています。

主節動詞と時間的な距離、ズレがあるかどうかが仮定法過去or仮定法過去完了を使い分ける分かれ道となりますので、ここをしっかり押さえてください。

このポイントを踏まえた上で仮定法過去完了を使うパターンを見てみましょう。

仮定法過去完了

・She looks as if she had seen a ghost.
(彼女はまるで幽霊を見たかのようだ。)

・She looked as if she had seen a ghost.
(彼女はまるで幽霊を見たかのようだった。)

*実際には幽霊を見ていない。

まず2文とも実際には幽霊を見ていないので現実との距離はありますね。

続いて主節動詞との時間的な距離があるかどうか考えてみましょう。

1文目: 幽霊を見た(see)のは過去、そのような様子である(look)のは現在。つまり主節動詞と仮定法の内容に時間的距離あり。
→『現実との距離+主節動詞との時間的な距離

2文目: 幽霊を見た(see)のは過去、そのような様子であった(look)のも過去。しかし幽霊を見た(see)のはそのように(怖がっている様子に)見えた(look)時点よりもさらに過去。
時間軸(左から順に): 幽霊を見る-そのような様子である-現在
つまり主節動詞と仮定法の内容に時間的距離あり。
→『現実との距離+主節動詞との時間的な距離

*便宜上、幽霊を見たことにして時間的関係を考えていますが、仮定法を使っていることからもわかる通り実際には見ていません。

このように主節動詞lookと仮定法の内容に時間的な距離があるので、lookが現在形か過去形かに関わらず、仮定法過去完了が使われています。

『現実との距離のみ』→仮定法過去
『現実との距離+主節動詞との時間的な距離』→仮定法過去完了

これをしっかり押さえて仮定法過去・仮定法過去完了の使い分けをマスターしましょう。

最後に復習として例文を載せておきます。(新しい例文2つ含む)

・He looks as if he were being chased by something scary.
(彼はまるで何か恐ろしいものに追いかけられているように見える。)
・He looked as if he were being chased by something scary.
(彼はまるで何か恐ろしいものに追いかけられているように見えた。)
・Joey said if he were a millionaire, he would buy thousands of hamburgers.
(ジョイはもし億万長者だったら何千個もハンバーガーを買うだろうと言った。)

・She looks as if she had seen a ghost.
(彼女はまるで幽霊を見たかのようだ。)
・She looked as if she had seen a ghost.
(彼女はまるで幽霊を見たかのようだった。)
・Vincent said if he had confessed his love to her, she would have lived up to his expectations.
(ビンセントはもし彼女に告白していたら、彼女は彼の期待に応えてくれただろうと言った。)

続いて仮定法と直説法が入り組んだ少し複雑なパターンについて見てみます。

はりきって行きましょう!

仮定法と直説法が入り組んだパターン

ここからは少し複雑な内容になります。

ややこしい文法の話が好きな方は読み進めてください。

すでに頭がこんがらがりそうな方は一旦このことは忘れて、基本を完全にマスターしてから戻って来てくださいね。1ヶ月でも1年でも10年でもここでお待ちしております。

それでは準備ができた方は例文を使って脳ミソを回転させましょう。

・If I had more money, I would go to the countries I have long wanted to visit.
(もしもっとお金を持っていたら、ずっと行きたかった国に行きます。)

・If I were a type of gentleman you say I am, I wouldn't be having an affair with you.
(もし僕が君の言うような紳士だったら、君と浮気なんかしていないよ。)

*仮定法は太字、直説法は斜体

1文目:
もっとお金がある、外国に行く、というのは仮定の話なので、had, would goは仮定法過去を使っています。
一方ずっと行きたかったというのは現実の話なので、直説法を使っています。

2文目:
紳士である、浮気をしていない、というのは仮定の話なので、were, wouldn't beは仮定法過去を使っています。
一方『君』が『僕』を紳士だと言っているのは現実なので、you say I amのsay, amは直説法を使っています。

一見複雑なように見えますが、現実なら直説法、非現実なら仮定法を使うという基本が分かっていれば同じことですね。

続いて例文第2弾です。

・If he said the earth was [is] flat in shape, nobody would believe him.
(もし彼が地球は平坦な形をしていると言っても、誰も信じないだろう。)

・If he had said the earth was [is] round in shape, nobody would have believed him.
(もし彼が地球は丸い形をしていると言っていたら、誰も彼を信じなかっただろう。)

*仮定法は太字、直説法は斜体、直説法→仮定法に変化したパターンは太字+斜体

ここで重要なのはif節の中に仮定法(said, had said)が使われており、それに続く内容(the earth is flat in shape)の時制も仮定法の影響を受ける場合があるということです。

どういう意味なのか、一つ一つ分解して考えてみましょう。

1文目:
彼が言う、誰も信じない、というのは仮定の話なので、said, would believeは仮定法過去を使っています。
the earth (was or is) flatの時制について、仮定法was, 直説法isの2通りの可能性があります。
ポイントは『仮定の範囲に含めるかどうか』です。

the earth〜の部分を仮定の範囲に含める場合、beも仮定法saidの影響を受け、仮定法過去wasを使用します。
一方話し手が『地球が平坦な形である』ことを事実だと考えており、また現在も事実であることを強調する場合、beは仮定法saidの影響を受けず、the earth is flat in shape, のように直説法isを使用します。


2文目:
彼が地球は丸いと言った、誰も信じなかった、というのは過去の仮定の話なので、had said, would have believed は仮定法過去を使っています。『現実との距離+現在との距離』でしたね。

the earth〜の部分は1文目と同じ考え方を当てはめれば良いです。
話し手が『地球が丸い形である』ことを現在も変わらぬ事実だと考え、それを強調するならば直説法is, the earth〜の部分も仮定の範囲に含めるならば仮定法wasを使用します。

・仮定の範囲に含める→仮定法
・現在も事実であることを強調→直説法

このポイントを押さえておきましょう。

さて、2文目最後の『the earth〜の部分は1文目と同じ考え方を当てはめれば良い』という説明、何か引っかかりませんでしたか?

両方仮定法を使うとした場合、

1文目:If he said the earth was flat in shape, 〜.
2文目:If he had said the earth was round in shape, 〜.

のようになるけど、1文目は仮定法過去said, 2文目は仮定法過去形had saidを使ってるのにthe earthの後は両方仮定法過去のwas。なんかおかしくないか、この人の説明間違ってるんじゃないか?

このように疑問が湧いてきた方は鋭い視点を持っている証拠です。

特に問題なくスムーズに理解できた方も念のためこの点を整理しておきましょう。

この仮定法の時制の疑問を解決するには、通常の平叙文の時制の一致を理解する必要があります。

文法用語で言うと直接話法(Quoted Speech)→間接話法(Reported Speech)へ切り換えた場合の時制の一致です。
主節動詞が過去形や過去完了形の場合、Quotation marks 『 " " 』が外れたら時制を一つずらすというやつです。

3段階の例文に分けて考えましょう。

直接話法: He says, "The earth is flat in shape."
間接話法: He says that the earth is flat in shape.

直接話法: He said, "The earth is flat in shape."
間接話法: He said that the earth was flat in shape.

直接話法: He had said, "The earth is round in shape," before everyone else realized it.
間接話法: He had said that the earth was round in shape, before everyone else realized it.
(彼は他の皆が気づく前に、地球は丸いと言っていた。)

*the earth〜の部分を話し手が事実であると考えていることを強調せず、単純に時制を一致させた場合

上記の直接話法を見てわかる通り、過去形said・過去完了形had saidに続くthe earth〜の部分のbe動詞はどちらもisです。
彼が発言した時点での普遍の真理について話しているのですから現在形を使うのは当然のことですね。

その結果、間接話法に替えた場合、どちらも時制が一段階ずれ、is→wasに変わります。過去形でも過去完了形でも同じwasを使うのです。

これは仮定法過去・仮定法過去完了の場合も同じで、said・had saidに続くthe earth〜の部分はどちらもis→wasへと時制の変化が起きます。

1文目
直接話法: If he said, "The earth is flat in shape," nobody would believe him.
間接話法: If he said the earth was flat in shape, nobody would believe him.

2文目
直接話法: If he had said, "The earth is round in shape," nobody would have believed him.
間接話法: If he had said the earth was round in shape, nobody would have believed him.

これで仮定法過去said, 仮定法過去完了had saidの後に続くbe動詞の時制がなぜ同じなのか、と言う疑問が解決されたと思います。

また、話し手がthe earth〜の部分を現在も当てはまる事実だと思っていることを強調する場合、間接話法になってもis→wasへの変化は起きません。
この場合も仮定法過去said, 仮定法過去完了had said共に同じ結果となるのです。

1文目: If he said the earth is flat in shape, nobody would believe him.
2文目: If he had said the earth is flat in shape, nobody would have believed him.

実際には事実かどうかに関わらずsaid, had said等に続く内容も仮定法の範囲に含めて時制を変化させることが多いです。

英語では文法的に間違いでないパターンが複数存在することがよくあるので、原理を押さえた上で柔軟に考えるくせをつけると便利かもしれません。

続いてややこしい時制シリーズ最後、例文第3弾です。

・ If I said I had won the lottery, you would think I was lying.
(もし僕が宝くじに当たったと言ったなら、君は僕が嘘を付いていると思うだろう。)

・If I had said I had won the lottery before you read the newspaper, you would have thought I was lying.
(もし君が新聞を読む前に僕が宝くじに当たったと言っていたなら、君は僕が嘘を付いていると思っただろう。)

*仮定法は太字、直説法は斜体

いよいよ頭がこんがらがりそうですが、ポイントは『仮定の範囲に含めるかどうか』。

これを踏まえて1つずつ解釈していきましょう。

1文目:
僕が言う、宝くじに当たった、というのは仮定の話なので、said, had wonは仮定法過去・仮定法過去完了を使っています。
また僕が嘘をついている、君がそう思う、というのも仮定の話なので、would think, wasは仮定法過去を使っています。

『I had won the lottery』はsaidに、『I was lying』はwould thinkにそれぞれ影響されて仮定法になっているのです。


2文目:
僕が言った、宝くじに当たった、というのは仮定の話なので、had said, had wonは仮定法過去完了を使っています。
また僕が嘘をついている、君がそう思った、というのも仮定の話なので、would have thought, wasは仮定法過去完了・仮定法過去を使っています。

一方、君が新聞を読んだ、というのは現実の話なので、readは直説法の過去形を使っています。

さて、I had won the lotteryの時制問題ですが、こちらも第2弾の例文と同じく、直接話法(Quoted Speech)と間接話法(Reported Speech)の考え方を理解していれば解決できます。

まずは平叙文を3段階に分けて考えましょう。

直接話法: I say, "I won the lottery."
間接話法: I say that I won the lottery.

直接話法: I said, "I won the lottery."
間接話法: I said that I had won the lottery.

直接話法: I had said, "I won the lottery," before you read the newspaper.
間接話法: I had said that I had won the lottery before you read the newspaper.

上記の通り、直接話法のsaid, had saidに続く部分の時制はどちらも過去形のwonなので、間接話法ではwon→had wonに時制の変化が起きます。

これは仮定法過去・仮定法過去完了でも同じです。
そしてこの考え方はwould thinkに続くI was lyingの部分にも適用されます。

それぞれ時制の変化を見てみましょう。

1文目
直接話法: If I said, "I won the lottery," you would think, "You are lying."
(もし私が『宝くじに当たった』と言ったら、君は『お前は嘘をついている』と思うだろう。)
間接話法: If I said I had won the lottery, you would think I was lying.

2文目
直接話法: If I had said, "I won the lottery," before you read the newspaper, you would have thought, "You are lying."
間接話法: If I had said I had won the lottery before you read the newspaper, you would have thought I was lying.

*直接話法のYou are lyingのYouは" I "を指しているので、間接話法では主語がIに変わります。

仮定法過去said, 仮定法過去完了had saidどちらも元となる直接話法の文の時制が同じなので、間接話法での時制も同じ結果になるのですね。

ただ最近は文脈から時間の前後関係が明らかであれば過去完了を使わずシンプルに過去形を使う場合も多いので、実際には次のような時制もあり得るかもしれません。

・If I said I won the lottery, you would think I was lying.
・If I had said I won the lottery, you would have thought I was lying.

英語は思っているより柔軟なので、1人で勉強している時はとことん時制について考えて、誰かと会話する際は難しく考えず臨機応変にいきましょう。

文法の間違いを指摘する文法警察は嫌われちゃいますので。

以上、仮定法と直説法が入り組んだややこしい時制シリーズでした。

最後に例文をまとめて載せておきます。

・If I had more money, I would go to the countries I have long wanted to visit.
(もしもっとお金を持っていたら、ずっと行きたかった国に行きます。)
・If I were a type of gentleman you say I am, I wouldn't be having an affair with you.
(もし僕が君の言うような紳士だったら、君と浮気なんかしていないよ。)

・If he said the earth was [is] flat in shape, nobody would believe him.
(もし彼が地球は平坦な形をしていると言っても、誰も信じないだろう。)
・If he had said the earth was [is] round in shape, nobody would have believed him.
(もし彼が地球は丸い形をしていると言っていたら、誰も彼を信じなかっただろう。)

・If I said I had won the lottery, you would think I was lying.
(もし僕が宝くじに当たったと言ったなら、君は僕が嘘を付いていると思うだろう。)
・If I had said I had won the lottery before you read the newspaper, you would have thought I was lying.
(もし君が新聞を読む前に僕が宝くじに当たったと言っていたなら、君は僕が嘘を付いていると思っただろう。)

*仮定法は太字、直説法は斜体

as ifの色々な使い方

as ifを使った仮定法の時制、仮定法と直説法の使い分けについて解説したので、ついでにas if内での仮定法・直説法、as ifを使った慣用句など、様々な使い分けについても触れておきます。

先ほどのややこしい時制ゾーンより圧倒的に簡単なので気負わずにいきましょう^^

*この記事では便宜上as if で統一していますが、as thoughに置き換えても意味・使い方は変わりません。

as if内の仮定法・直説法の使い分け

・Eri acts as if she were a princess.
*エリはお姫様ではない。

・Eri acts as if she was a princess.
*エリはお姫様かもしれない。

・Eri acts as if she is a princess.
*エリはお姫様である。

(エリはお姫様のように振る舞う。)
*仮定法は太字、直説法は斜体太字+斜体は中間

上記のようにas if内に使われるbe動詞の時制により意味を使い分ける場合があります。

仮定法のwereを非現実、直説法のisを現実、そしてwasを中間に位置付ける考え方です。仮定法→直説法に近づくにつれて現実度が高まっていくという感じですね。

直説法が現実、現実に近いことを表すというのがポイントです。
例えばI think he is sick. など話し手が現実である可能性が高いと思っている場合は当たり前のように直説法を使っていますよね。
(わざわざ意識はしていないかもしれませんが。)

これはas if でも同じことです。

このポイントを踏まえてas if + 直説法の組み合わせをもう少し見ておきましょう。

・I feel as if I'm going crazy.
(頭がおかしくなりそうだ。)

・It looks [seems] as if the writer is obsessed with grammar.
= It looks [seems] like the writer is obsessed with grammar.
= It seems that the writer is obsessed with grammar.
(筆者は文法に取りつかれているようだ。)

1文目:
例えばお酒を飲みすぎて頭がぐるぐる、正常でないように感じているとしたら『頭がおかしくなりそう』というのは例えでも比喩でもないので、現実に近いということで直説法を使うのが自然です。

2文目:
この記事を読んでいて文法に細かい筆者だなあと感じませんでしたか?
そのように感じて『筆者は文法に取りつかれているようだ』と表現する場合、話し手は現実の可能性が高いと思っているので、ここでも直説法を使うのが自然なのです。
また、〜のようだと推測を表すas if はlikeやthat節で置き換えてもほぼ同じ意味になります。

ちなみに僕が文法に熱中しすぎて取りつかれているというのは多分事実です。。笑

このように同じas if でも仮定法・直説法・その中間、どれを使うかでニュアンスが異なってくるのです。

as if を使った例文に遭遇したら是非使われる動詞の形にも注目してくださいね。

as if + 不定詞句・形容詞句etc. (主語+be動詞の省略)

as if の中では主語とbe動詞を省略して不定詞句や形容詞句、前置詞句などを残した表現を作ることもよくあります。

・My mother nodded as if to say goodbye.
(母はまるでさよならと言うようにうなずいた。)
*不定詞句

・He looked pale as if dead.
(彼はまるで死んでるかのように青ざめていた。)
*形容詞句

・She is living her life as if in a dream.
(彼女はまるで夢のように人生を過ごしている。)
*前置詞句

上記のように主語+be動詞を省略し、色々な表現を作れるas if ですが、as if自体は接続詞なので、副詞と同じような働きをします。

・母はうなずいた。(まるでさよならと言うように)
・彼は青ざめていた。(まるで死んでるかのように)
・彼女は人生を過ごしている。(まるで夢の中にいるかのように)

このようにas if は前の文章の内容全体を修飾していることを理解しておいてください。

そして主語+be動詞を省略した表現のメリットは動詞の時制を考えなくていい点です。間違えそうだと思った場合は思い切って省略しちゃいましょう!

一応時制が気になる方のために省略してないバージョンを載せておきます。

・My mother nodded as if (she was*) to say goodbye.
・He looked pale as if (he were) dead.
・She is living her life as if (she were) in a dream.

*過去形noddedに合わせて直説法is→wasに時制が変化。
仮定法と違い、直説法の場合はas if でも時制の一致が起きます。
(文脈によっては仮定法・直説法中間のwasと区別がつかない場合あり)

as if を使った慣用句

・The man walked into the club as if he owned the place.
(その男はわがもの顔でクラブに入ってきた。)

・"Do you know Ken got married?" "As if I cared [care]." "But he's your ex!"
(ケンが結婚したって知ってる?どうでもいいよ。でもあんたの元カレじゃん!)

・"Hey you haven't washed the dishes." "Oh was it my turn today?" "As if you didn't [don't] know!"
(ちょっと、洗い物まだやってないじゃん。あれ、今日俺の番だったっけ。わかってるくせに!)

・"Did you lose money at the casino last night?" "As if!"
(昨日カジノで負けた?そんな訳ねえだろ。)

各慣用句について一つ一つ解釈してみましょう。

1文目:
これは慣用句ですが文字通り理解しやすいものかと思います。

・as if one owned the place
まるでその場所を所有しているかのように
→自信満々に、わがもの顔で
*悪い意味で使われることが多いです。

肩で風を切りながら(walk with a swagger)クラブに入場したりしていると、陰でこう言われちゃうかもしれません。


2文目:
訳だけを見ると、んっと一瞬戸惑うかもしれません。

・As if I cared [care].
まるで私が気にしているかのよう
→実際は気にしていない(のにまるで気にしているかのようじゃないか)
→どうでもいいよ。
*仮定法・直説法どちらも使えますが、仮定法の方がありえないというニュアンスが若干強いです。(実際はどっちもほぼ同じですが)

As if で否定の意味を加える感じですね。
次のように置き換えられます。
・As if I cared. = I don't care.

似たような意味の口語表現もあります。
・Like I give a shit.
*give a shit = care
(shit=つまらないもの、をあげる→わずかな注意を払う。don't give a shitで全く注意を払わない→どうでもいい。という意味になります。)


3文目:
2文目のAs if I cared. と同じ考え方です。

・As if you didn't [don't] know.
まるであなたが知らないよう
→実際は知っている(のに知らないふりをしている)
→知ってるくせに


4文目:
As if I cared. As if you didn't know.をさらに進化させた表現です。
後ろに文脈に応じた文章が省略されていると考えれば理解しやすいです。

・As if (it were possible / I would lose money)!
まるでそんなことがありえるかのよう / まるで私が負けるかのよう
→そんな訳ない(のに)

時制に関係なくAs if! でまさか!そんな訳ないよ!と相手の発言を否定することができます。
No way! と同じような表現ですね。

As if に限らず慣用句を丸覚えしようとすると後で出てきたときにあれ、どうゆう意味だったっけとなってしまいます。

背景となる文字通りの意味と、どのような意図・文脈で使われるのかをしっかり理解した上で覚えるようにしましょう。

急がば回れ、ですね^^

以上、As if の様々な使い方についてでした。

せっかくの機会ですので仮定法をマスターするついでにAs if の使い方も覚えておいてくださいね。

まとめ

お疲れ様でした。

かなりのボリューム・ややこしさで脳ミソが悲鳴をあげていることかと思います。チョコレートや飴で糖分補給して休めてあげてくださいね。

以下、今回の復習です。

  1. 仮定法過去『現実との距離』
  2. 仮定法過去完了『現実との距離+現在との距離』
  3. 仮定法未来『高確率で現実にならなそうなこと』
  4. 仮定法現在『現実とは違う理想(未確定)』
  5. 応用編(省略・倒置・混合)
  6. 仮定法の時制(仮定法過去・仮定法過去完了、仮定法・直説法、as if)

一見ややこしそうな仮定法ですが、一度原理をしっかり理解してしまえば応用が効きやすい分野でもあります。

このサイトや文法書、辞書などで繰り返し学習することで原理を定着させ、長文読解や洋書を読む際にも仮定法の使い方に注目してみてください。

また、洋画や海外ドラマでも、よく聞いてみると仮定法が色々なシチュエーションで使われていて面白いですよ。

いろんな仮定法の表現を身につけた後は実際の会話でも積極的に使っていってくださいね。

それでは最後に仮定法で一言。

My life would have been less amazing if you hadn't come to this website.

 

プロフィール

管理人: マルチリンガルジョニー

 

高校中退→1浪→京大法学部→セブ留学(1ヶ月)→上海留学(1年間)→専門商社就職→香港駐在→2年で退社→韓国でフリー→医学部受験講師

 

モットーは『語学=ライフスタイル』
話せる言語は日・英・中・韓・広です。
TOEIC990。新HSK6級。

 

英語独学奮闘中の方を応援します。

https://twitter.com/Lanboost1/status/1190509329499058176

 

 

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