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英語のイディオム(慣用句)とは?例文や語源で定義を理解しよう!

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英語を学習していると、さまざまな専門用語に出会うことがあるかと思います。
時制や仮定法の文法を勉強していると「未来進行形」や「仮定法過去完了」など日本語ではなかなか聞かないような表現も出てきます。


今回お話する「イディオム」もそのような普段聞き慣れない表現の一つだと思います。


イディオムは実はとても興味深く、面白く、覚えるメリットもかなりある学習分野ですが、日本ではあまり関心を持たれておらず、よくわからないものと考えられている方も多いようでした。


そこで今回はそんな実は便利なイディオムを徹底的に解説してしまおうと思っています。


イディオムとは何か、一言で説明すると、


複数の単語から構成され、字面からは意味を推測できないこともある表現のことです。日本語では慣用句と呼ばれることもあります。


よく使われる表現をいくつかあげると、

"A piece of cake",  
"ship has sailed",
"know which way the wind is blowing",
"A blessing in disguise",
"Break a leg",
"To kill two birds with one stone",


などが挙げられます。


上記の表現の字面の意味を理解することはできますが、それぞれの表現が持っている実際の意味は異なります。


例えば、"A piece of cake"は字面の意味は「ケーキの一欠片」ですが、
実際には以下のような使われ方をします。

例文:"Hitting a home run is a piece of cake for him. He is such a fantastic slugger."
訳 :「ホームランを打つのは彼にとって簡単なことだね。彼は素晴らしい強打者だ。」



他にも例を挙げてみましょう。
"ship has sailed"(船は出港した),
"know which way the wind is blowing"(風がどちらに吹いているか知る),
"Break a leg"(足を折る)
これらの3つのイディオムはこのように使われます。

例文:"I think ship has sailed though, it seems you know which way the wind is blowing. Break a leg."
訳 :「もうすでに遅すぎる気がするけど、状況は理解しているようだね。成功を祈るよ。」


イディオムは字面の意味とは異なる意味で使用される表現であるという点についてイメージを持って頂けたかと思います。


ここまででの説明でイディオムを完全に理解した、という方がいらっしゃればとても良いのですが、実は英語には、イディオムと同じく複数の単語で構成される表現に、「英熟語」と呼ばれる表現や「句動詞」と呼ばれる動詞などがあります。


英語の参考書や日本語で書かれたブログでもそのような表現がごちゃ混ぜになって説明されることも良く見かけます。


そこで、今回は英語のイディオムの特徴を捉えつつ、どのような表現のことを指しているのか、良く間違えられる英熟語や句動詞とはどう違うのか、徹底的に解説していきます。


後半ではイディオムならではの表現の語源や歴史にも触れながら解説をしていきますので、きっと皆さんの学びにつながると思います。


それでは、次の章から早速イディオムを完全に理解してしまいましょう!


これだけは押さえたいイディオムの特徴3点



さて、前章の例文でざっくりとしたイディオムのイメージを持って頂けたかと思います。


最初にお伝えした通り、イディオムとは複数の単語から構成され、字面からは意味を推測できないこともある表現のことです。


しかし、その説明だけだといまいちピンと来ない方もいらっしゃると思います。
そのような方のために、この章ではイディオムならではの特徴について深掘って行きたいと思います。

特徴①様々な品詞がある


まずイディオムの大きな特徴の一つは様々な品詞があるという点です。
品詞と聞くと


「いやいや、いきなり勘弁してくれよ」
「俺はイディオムについて知りたいんだよ。文法はいらん」


といった声が聞こえてきそうですが、イディオムの特徴をお話する上でイディオムの品詞を意識することは大事です。


なぜなら、あまり知られていないのですが、実は英語のイディオムにはさまざまな品詞の表現があるからです。


品詞について念のため補足すると
名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞、感嘆詞といった英語の単語一つ一つが文章の中で持つ役割のことです。
より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


つまり、ここでいうイディオムの品詞とは、あるイディオムが動詞なのか、名詞なのか、形容詞なのか、ということです。


イディオムを覚える際に品詞を特に気にせずとも、例文と一緒に覚えたり、どのように使われるのかをしっかり理解していればある程度正しい場面で使うことができるようになるかと思います。


しかし、より自由自在にイディオムを使いこなしたり、イディオムを使ってオリジナルの表現を生み出したいという場合は品詞を意識するのが効果的です。
なぜなら品詞を押さえておけば、自分で表現を生み出したとしても文法的な間違いはほとんどなくなるからです。


もしかすると説明だけだと、イディオムと品詞の関係性がいまいちピンとこない方もいるかもしれないので、ここではあえて、イディオムを品詞ごとに分けてみました。


品詞ごとにさまざまなイディオムを見て頂き、イディオムの多様性や使い勝手の良さ、品詞を押さえられればイディオムを簡単に会話やライティングに組み込むことができるという点をイメージして頂きたいです。



名詞的に使われる表現

例文:"I never want a nine-to-five job."
訳 :「ルーティーンの仕事は絶対にしたくない。」

例文:"You know what? I have a million and one ideas."
訳 :"聞いてくれよ。俺、めっちゃアイデアあるぜ。"

例文:"We don't have much time for the meeting. Just give me a ballpark figure for the cost of the next project as soon as possible."
訳 :「ミーティングまで時間がない。次のプロジェクトのコストの概算を可能な限り早くくれ。」

動詞的に使われる表現


例文:"I am sorry but I can't drive you home tonight. I had one too many."
訳 :「ごめん、今夜は送れないわ。。飲みすぎた。。。」

例文:"Even though Susan said nothing when I told her that I love her, I feel on top of the world."
訳 :「俺がスーザンに愛していると言った時、彼女は何も言ってくれなかったにも関わらず俺は最高の幸せを感じているんだ。」

形容詞的に使われる表現



例文:"Two years ago, making a heart with a thumb and an index finger was all the rage, but now you don't see it very often."
訳 :「2年前、親指と人差し指でハートを作るのはかなりイケてたが、今はそんなに見ない。」

例文:"Do you know why Cathy seems to be on cloud nine? "
"Oh, I heard that her boyfriend proposed to her last night."
訳 :「キャシーがなんで幸せそうなのかわかる?」
「あー、昨夜彼氏がプロポーズしたって聞いたわ。」

副詞的に使われる表現


例文:"I heard through the grapevine that John and Jessica were making out in the central park."
訳 :「噂話で、ジョンとジェシカがセントラルパークでキスしてたって聞いたよ。」


例文:"After work I headed to the restaurant hell for leather, but she's already gone."
訳 :仕事が終わった後大急ぎでレストランに向かったが、彼女はすでに去っていた。


名詞、動詞、形容詞、副詞のように使われるイディオムを見てきました。
イディオムの字面からは意味を推測しにくいなどの共通点は全てにありつつ、文の中での使われ方は異なる、という点をイメージして頂けていたら光栄です。


イディオムの覚え方については別の記事で詳細をご紹介しますが、このイディオムの品詞を意識することは非常に重要です。ぜひ皆さんの知っているイディオムがどの品詞なのか、文章の中ではどのように使われるのか、考えてみてください。



特徴②単体で文になれるものもある


さて、続いては、単体で文となることができるイディオムを見てみましょう。
単体で文になるとはどういうことか、早速例文を一つてみます。


例文:Time flies when you're having fun.
訳 :「楽しいと時が経つのが早い。」

単体で文になれるイディオムとは、上記の表現のように文中の単語が全てセットで使われるイディオムのことを指します。上記の例は非常に有名な表現なので、口語では"Time flies"とだけ言われることも多いです。


このようなイディオムは他の単語との繋がりを考えなくても良いので、先ほどお伝えしたような品詞をあまり気にせずに使うことができます。そのため、意味を覚えることさえできれば、今日からすぐに使えるかと思います。早く使えるイディオムの数を手っ取り増やしたい方はぜひ覚えていってください。


他にもどのようなものがあるのか、いくつか例文をみてみましょう。

Put the pedal to the metal.
意味:猛スピードで運転する。
例文:OH MY GOD!! I am late for work. Put the pedal to the metal!!
訳 :オーマイガー! 仕事に遅れるー。 全力で運転して


Better late than never
意味:遅れてもやらないのよりはまし。遅れても来ないのよりはまし。
例文:"I am so sorry I was late for your birthday party last night. "
"Never mind. Better late than never. Mary didn't show up at all"
訳 :「昨晩の誕生日パーティーに遅れてごめんね。」
   「気にしないで。遅れても来ないのよりはましよ
    メアリーは全く現れなかったし。」


Easy does it
意味:ゆっくり自分のペースでやりなさい。落ち着いて。
例文:"Oh, I can't believe that I left the documents for the presentation
on my desk. It feels like it's the end of the world."
"Easy does it. I can help you prepare for the scripts."
訳 :「あー、机の上にプレゼンの資料を忘れたなんて信じられない。
世界の終わりみたいな気分だわ。」
   「落ち着いて。 台本の準備は手伝えるから。」


No pain, no gain
意味:痛みなくして、得るものなし。
例文:" I wonder if there are any ways to earn money with no effort.
" You know what they say? No pain, no gain. You've got to do what you've got to do to get what you really want.
訳 :「努力を全くしないで金を稼ぐ方法はないかな。」
   「人はなんて言うか知ってるか。痛みなくして、得るものなしだ。本当に欲しいものを手に入れるためにはやらなきゃいけないことをやるんだ!」


Pull yourself together
意味:気を取り直して。自分を取り戻して。立ち直って。
例文:"You can't even imagine how devastated I am after losing my dog"
"Pull yourself together. It's gonna be alright."
訳 :「犬を亡くして僕がどれだけ打ちひしがれているか君には想像もできないだろうね。」
   「元気出せよ。なんとかなるって。」



このように、単体で文として使用することができるイディオムはたくさんあります。文を丸ごと覚えて使うことができるので、文法的なミスを気にしないで使えるかもしれませんね。


また、そもそも単体で文章になるイディオムがあると認識していれば、もし皆さんの知らない表現に出くわしてもしっかり調べることができます。


例えば、"Put the pedal to the metal" という表現に出くわした時に「この文はもしかしたら一つのイディオムになっているのかもしれない」と疑うことができればすぐにイディオムの解説に辿り着けるかと思います。


もしこれをそれぞれの単語からなる普通の文章だと思って"put"や"pedal"だけを調べても求めている解説には辿り着くのは難しいかもしれません。


今後もし皆さんがそのような文章に遭遇した時には、ぜひ文が一つのイディオムになっているのではないかと疑って調べてみて欲しいと思います。


特徴③字面からは意味がわからないことが多い



続いて紹介するイディオムの特徴は字面からは意味がわからないことが多いという特徴です。


すでにご紹介したイディオムの中にも意味を全く推測できないものや推測できる意味と全然異なるものがあったかと思いますが、字面の意味と表現の意味が違うという点に着目してもう一度イディオムを見てみましょう。


「なぜそんな意味になるんだ?」


というものも中にはあるかとと思います。


せっかくなので、ぜひこれを機会に覚えて欲しいと思い、なぜそのような意味で使われるようになったのか、語源についても触れていきたいと思います。


Bob's your uncle
直訳:ボブのおじさん
意味:説明を終えるときに使われることが多く、「大丈夫」「問題ない」などの意味で使われます。"No problem”, “the solution is simple”, “there you have it”などで言い換えることもできます。
例文:"Just add some salt and pepper and Bob's your uncle!"
訳 :「塩と胡椒を加えて、はい、完成!」
語源:実は語源がどこにあるのか、定かではないようです。
一説によると1887年にイギリスの首相Robert Gascoyne-Cecil, 3rd Marquess of Salisbury(通称Bob)が身内びいきで甥っ子のArthur Balfourを大臣に任命したことに由来すると言われています。つまりBobおじさんがいれば大臣にだってなれるというひいきに対する皮肉ですね。
参考:Bob's your uncle wiki


Donkey's years
直訳:ロバの歳
意味:かなりの長い時間
例文:"I haven't talked to John in donkey's years."
訳 :「もうかなりの間ジョンと話してないわ。」
起源:ロバの耳を表す"Donkey's ears" に由来すると言われています。
yearsはearsの音からくるスラング的な使い方がされています。
一説によるとロバは長生きし、耳も長いことからこの表現が生まれたと
言われています。
参考:Donkey's years


Under the weather
直訳:天気の下
意味:気分が悪い、疲れている。
例文:"Bob was feeling a bit under the weather, so he decided not to run a marathon.
訳 :「ボブは気分が優れなかったので、マラソンを走るのをやめた。」
語源:諸説ありますが、船乗りに関する話が多いようです。
   一つは船乗りが船酔いしたとき甲板の下で休むので、天気に左右されなく   
   なるから。もう一つは体調を崩した人が多いと、船旅の記録簿に天気の欄
   に彼らのことを書かなくてはいけなかったから、というものがあります。
参考:under the weather


Break a leg
直訳:足を折る
意味:「幸運を祈る」「成功を祈る」「頑張って」など、相手が上手くいくこ
    とを願う意図で使用されるイディオムです。
例文:"So, Are you going to run a marathon in this summer? Break a leg!."
訳 :「今年の夏マラソンに出るの?幸運を祈るよ!」

語源:諸説ありますが、一説によると、昔、演劇の本番前に"Good luck !"など
   良い事を演者に対して言うのは不運を招くとされていたので、
   上手くいって欲しいと思うなら逆に悪いこと、
   つまり"Break a leg"と言うようになったそうです。。
   ジンクスや最近でいうフラグみたいなニュアンスですね。
参考:TRENSCENDENCE
参考:The Phrase Finder



字面の意味と表現の意味が大きく異なるイディオムをいくつかみてきましたが、イディオムの独特のニュアンスを感じて頂けていると嬉しいです。


語源は諸説あるものが多いですが、ストーリーになっているので、一度語源を読むとイディオムの意味を忘れなくなる、というものも多いかと思います。


ご興味を持って頂けた方は今後もイディオムの語源に注目して頂けると記憶への定着も良いと思います。


ここまで、イディオムの特徴を3点みてきました。


①様々な品詞がある。
②単体で文になるものがある。
③字面からは意味がわからないことが多い。


これらの特徴はイディオムを理解する上でとても大事です。
また、次章でお話しする、句動詞や英熟語など、他の英語表現と区別して理解するためにも非常に重要になってきます。

句動詞や英熟語との違い



ここまで、英語のイディオムとはどのような表現を指すのか、例文や語源を見ながら特徴を理解していただきました。


冒頭でも少し触れましたが、英語には「イディオム」のように特別な名前で呼ばれる表現がいくつかあります。


そして、そのような表現は使われ方や理解の仕方が人によって異なり、参考書やサイトによって定義が違ったりします。


私自身も英語を勉強していると、参考書やサイト、講師によって解説時に使う表現が違い混乱することがありました。


今回ご紹介する、句動詞、英熟語などもその仲間だと思います。


解説を聞いたり例文を見たりすると、どのような表現をさすのか理解できるのですが、言葉だけでは何を指しているのかいまいちピンとこないということもあります。


そこで今回は前章で理解していただいたイディオムの知識を活かしつつ、よくイディオムとの違いがなかなか理解されていない、「句動詞」「英熟語」にも触れ、それぞれどのように違うのか、皆さんに理解していただきたいと思います。


そうすることで、皆さんが学びを強化したいポイントはどこなのか、どのような表現を身につけたいのか、という点を明らかにして頂きたいと思います。


イディオムのおさらい


早速、句動詞と英熟語について見ていきたいところですが、念のためイディオムについてまとめを振り返ってみましょう。


①様々な品詞がある。
②単体で文になるものがある。
③字面からは意味がわからないことが多い。


この3点がイディオムの大きな特徴でしたね。


それぞれ例文を見てみましょう。

①様々な品詞
イディオムには名詞、動詞、形容詞、副詞などの様々な形のものがありました。
例えば以下のような表現です。

名詞
例文:"I never want a nine-to-five job."
訳 :「ルーティーンの仕事は絶対にしたくない。」

副詞
例文:"After work I headed to the restaurant hell for leather, but she's already gone."
訳 :仕事が終わった後大急ぎでレストランに向かったが、彼女はすでに去っていた。


②単体で文になれる
イディオムには単体で文になれるものがありました。
例えば以下のような表現です。

意味:遅れてもやらないのよりはまし。遅れても来ないのよりはまし。
例文:"I am so sorry I was late for your birthday party last night. "
            "Never mind. Better late than never. Mary didn't show up at all"
訳 :「昨晩の誕生日パーティーに遅れてごめんね。」
   「気にしないで。遅れても来ないのよりはましよ。
    メアリーは全く現れなかったし。」


③字面から意味がわからないことが多い

イディオムをパッと見ただけでは意味を推測するのが難しいというのもイディオムの特徴の一つでした。
例えば以下のような表現です。

直訳:ロバの歳
意味:かなりの長い時間
例文:"I haven't talked to John in donkey's years."
訳 :「もうかなりの間ジョンと話してないわ。」


イディオム以外の表現との区別をしっかりするために、前章までのおさらいをさせて頂きました。
それでは次からは早速イディオム以外の表現について見ていきましょう。


句動詞



英語には句動詞と呼ばれる表現があります。


これはどのような表現かというと
「動詞+副詞」、「動詞+前置詞」や「動詞+副詞+前置詞」というような複数の単語で構成される単語のまとまりのことで、一つの動詞のように使われます。


句のように2つ以上の単語から構成される動詞なので、句動詞と呼ばれるということですね。複数の単語のまとまりを動詞として捉えるので、群動詞とも呼ばれます。英語ではPhrasal verbと呼ばれます。


ここでは、句動詞についてのイメージをよりはっきり持って頂くために、
「動詞+副詞」、「動詞+前置詞」、「動詞+副詞+前置詞」の3つの形に当てはまる句動詞をそれぞれ例文と共にみてみましょう。


動詞+副詞の句動詞
look up
意味:(辞書などで)調べる
例文:I think it is important to look up the meaning when we learn new words.
訳 :新しい単語を学ぶとき意味を辞書で調べるのは大事だと思う。


動詞+前置詞の句動詞
put on
意味:(服を)着る。
例文:Don't forget to put on a sweater before you leave because it is extremely cold outside.
訳 :外めっちゃ寒いからセーター着るの忘れないようにね。


動詞+副詞+前置詞の句動詞
stick up for
意味:(自分や自分の意見などを)守る。
例文:He said he joined the army because he wanted to stick up for his
country.
訳 :彼は彼の国を守りたいから軍隊に入ったと言ってた。



このように動詞と副詞または前置詞もしくは動詞と副詞と前置詞の両方がセットとなって一つの動詞のように使われる表現が句動詞です。


句動詞は、主に会話などのカジュアルな場面で使用されることが多いです。


一見すると、イディオムと同じで複数の単語から構成されているので、同じように混同して覚えてしまう人もいますが、句動詞はあくまでも動詞として使用されます。


また、句動詞は単体で文章となることもない点*や意味が推測できる点もイディオムとは異なります。*厳密には命令文を含めると単体で文を作ることができますが、それは put it on! (着ろ!)のような特に意味のない文です。


英熟語



ここまで、イディオムと句動詞について理解していただきました。
最後に皆さんの頭に入れて頂きたいのは、英熟語という表現についてです。


先にお伝えしてしまうと、イディオムや句動詞について理解された皆さんにとって英熟語は理解が非常に簡単な概念です。というのも英熟語とは、イディオムや句動詞などのように複数の英単語から構成される英語表現の総称だからです。


そんなに簡単なのに、ここであえて触れた理由は、参考書によっては表現が曖昧だったり、何を指し示すのかがよくわからなかったりするので、認識をシンプルにして頂きたいと思ったからです。


英熟語の例を挙げると

To begin with

For the time being

As much as ~

In order to ~


などのような複数の英単語で構成される表現が含まれます。
先ほども述べたようにイディオムや句動詞も英熟語に含まれるので、
「英熟語を覚える」となると範囲がかなり広いです。

イディオムの種類の多さに関してはすでに皆さんもご存知だと思いますし、句動詞もかなりの量があります。さらにイディオムも句動詞も独特な表現なので、実はそれぞれに適した学習法があったりします。


それを考慮せずに、「英熟語をたくさん覚える」というのは範囲が広すぎで、効率よく勉強できません。


なので、英熟語を覚えたい、と思った方はぜひ、イディオムを覚えたいのか、句動詞を覚えたいのか、その他の英熟語を覚えたいのかを意識して頂きたいと思います。そうすることで、皆さんの目的にあった学習ができると思います。


それぞれの違いのまとめ


ここまで、イディオムに始まり、句動詞や英熟語についても触れてきました。
それぞれの特徴は以下の通りでした。

イディオム:
①様々な品詞がある。
②単体で文になるものがある。
③字面からは意味がわからないことが多い。

句動詞:
「動詞+副詞」、「動詞+前置詞」や「動詞+副詞+前置詞」というような複数の単語で構成される単語のまとまりのことで、一つの動詞のように使われる。


英熟語:
複数の英単語から構成される英語表現の総称。



よりわかりやすく、正しいイメージで皆さんに理解して頂きたいので、それぞれの関係を表す図を用意しました。ぜひこちらを確認して、皆さんの理解にお役立てください。




イディオムは表現や英語圏の文化を学ぶのに最適




ここまで、英語におけるイディオムとはどのようなものなのか、意味の解説に加え、例文も盛り込みながら解説をしてきました。


また、よく誤認されてしまいがちな「句動詞」や「英熟語」との違いも見てきました。一見するとイディオムと似ているようにも見えるかもしれませんが、それぞれの役割や使い方は違っていましたね。


今回の記事でも触れましたが、イディオムにはかなりの種類があり、全てを覚えるのは難しいかもしれません。しかし、イディオム独特の表現からは、表現が生まれた英語圏の文化的な背景や歴史などが深く関わっていることが多いです。


また、日本だとイディオムをうまく使いこなしている人もあまりいないので、他の英語学習者の方と一線を画す存在になれるかもしれません。


今後も皆さんにぜひ覚えて頂きたいイディオムをまとめた記事やネイティブがおすすめする学習法などもご紹介していきたいと思っていますので、楽しみにして頂けると嬉しいです。


今回の記事を参考にイディオムの学習に少しでも興味を持って頂けたり、句動詞などの他の表現にも学習の幅を広げて頂けると幸いです。


それではまた会いましょう。

 

プロフィール

管理人: マルチリンガルジョニー

 

高校中退→1浪→京大法学部→セブ留学(1ヶ月)→上海留学(1年間)→専門商社就職→香港駐在→2年で退社→韓国でフリー→医学部受験講師

 

モットーは『語学=ライフスタイル』
話せる言語は日・英・中・韓・広です。
TOEIC990。新HSK6級。

 

英語独学奮闘中の方を応援します。

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