語彙力って英語力をつける上で重要だと思いますか?
語彙力最高!単語帳やりまくるしかないでしょ、という語彙力第一主義の方もいれば、基礎的なボキャブラリーを身につければあとはリスニングやスピーキングなどの実践的な力が重要だと考える方もいらっしゃると思います。
この記事のタイトルからおわかりいただける通り、僕自身は語彙力推進大臣です。語彙力はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキング4技能全ての基礎になっており、英語力は語彙力に比例して成長していくと考えています。
そこで今回は語彙力について、以下の4つに分けて解説していきます。
- 語彙力の重要性
- 必要語彙数
- 語彙力強化の3つのメリット
- 語彙力強化の3つの方法
語彙の重要性がイマイチわからない、あるいは語彙力を増やしたいと思っているが行動に移せない、具体的な方法がわからないという方にとって、語彙力強化プロジェクトをすぐに始めようというモチベーションを起こし、効率的なボキャビル方法を提示する有益な記事になっております。
ぜひ最後までお付き合いください。
語彙力はこんなにも大事だった!
語彙力が大事だと言われても、抽象的すぎてイマイチイメージが湧かないかもしれません。語彙学習を始める第一歩として、ボキャブラリーの重要性を確認してみましょう。
文章の理解度と語彙数の関係について、複数の実験が行われています。一般的に文章を完全に理解するにはその文章中の単語の95~98%を知っている必要があると言われています。
長文参考書などでよく使われるA5サイズの文章で1ページ約500単語あるので、知らない単語が10-25単語以上あるとその文章を理解できないということになります。
この数字を聞いてどう感じるでしょうか?意外に知らない単語多くてもいけるんじゃん、と感じるでしょうか?僕は最初そう思ってしまいました。笑
ですがよく考えてみてください。知らない単語が文章中に満遍なく散らばっている場合は95%の語彙で理解できるかもしれませんが、文章中の一部に集中してしまっている場合はその部分が全く理解できず、さらにその前後の文章の理解にも支障をきたすことになってしまいます。
よく長文読解のテクニック論で、知らない単語は文脈で推測すれば良いという意見がありますが、その推測も最低限の語彙数があってのことです。そもそも文脈をつかむ語彙数がなければ、推測もへったくれもありません。それに全ての単語を知っていて、推測の必要がないのであればそっちの方が確実だと思いませんか?
上記であげた実験で証明されているように、語彙数と文章の理解力には相関関係があります。英語で書かれた文章を理解するためには、超能力に近い推測力を上げるよりも、語彙力を上げる方が近道なのです。
語彙力の重要性について理解していただいたところで、一体どれくらいの語彙数が必要なのか、ということについて一緒に考えていきましょう。
*語彙力の重要性についてまだ理解してないんですけどー、という方。上記以外にも語彙力強化の3つのメリットについて解説しますので、それまで少しだけ我慢して読み進めてください^^
必要な語彙数とは。ネイティブってどれぐらいの単語知ってるの?
語彙力を上げるとか語彙数を増やすといった漠然とした目標だと、その目標をどれくらい達成できているのか曖昧で、進歩を実感できずモチベーションが続きません。
これから目指す目標の数値を設定するため、まずはネイティブがどれくらいの単語力があるのか年代別に見てみましょう。
英語ネイティブの語彙数
以下の結果はTest Your Vocabularyというサイトが約50万人(2018年8月現在)を対象に調査したものです。
- 中学生: 約20,000語
- 高校生: 約22,000語
- 大学生: 約22,000-25,000語
- 大人: 約25,000-38,000語
もちろん語彙数は人によって違いますし、特に大人だとかなりの広がりがありますが、自分の目標を定める上では参考にできるデータだと思います。
上記のデータを見ると、ボキャブラリーの面でネイティブと対等の力を身に付けたいと思うなら最低でも20,000語を習得する必要がありそうですね。(めちゃくちゃ多いやん...)
英語非ネイティブの語彙数
先ほどのTest Your Vocabularyの調査によると、アメリカ在住の非ネィティブのボキャブラリーは大体約10,000-20,000語の間におさまるそうです。
多くの非ネイティブスピーカーがネイティブの中学生未満の語彙しかないというのは驚きですよね。中学生って意外にいっぱい言葉知ってるんだなあ。
日本人学習者の語彙数も気になっている頃かと思いますので、下記学習レベル別に見ていきましょう。
- 中学校卒業レベル: 約1,000語
- 高校卒業レベル: 約3,000語
- TOEIC600: 約5,000語
- TOEIC700: 約8,000語
- TOEIC860〜: 約10,000語〜
TOEIC860以上の語彙数については、当たり前ですがかなりの幅があると思います。参考までに僕自身の経験をお話しさせていただきますね。
ジョニーの受験生時代の語彙数
初めてTOEICを受けた際はすでにある程度の語彙力があったので、語彙数を測り始めた高校時代からそれぞれ語彙数と自分で感じた英語レベルをシェアしていきます。
- 高2春: 約2,500~3,000語。センター試験筆記130/200
- 高3春: 約5,500~6,000語。センター試験筆記180/200
- 高3冬: 約8,000語。センター試験筆記満点
- 浪人生冬: 約10,000語。センター試験筆記満点。
語彙力を測り、本格的に英語の勉強を始める高校2年生までは英語は全然得意ではなく、成績も飛び抜けて良いわけではありませんでした。しかし、語彙力が上がるにつれて文章を読むのがどんどん簡単に、さらに読解スピードも速くなっていき、結果的に成績も圧倒的に向上しました。
語彙数が10,000語に到達すると、受験レベルの教材では知らない単語はほとんど出てこなくなり、英検1級レベルの教材でも一つの長文に1-2単語出てくるかどうかという状態になります。受験や資格試験の点数といった観点で見れば、語彙力と英語力は完全に直結していると思います。
続いて大学以降の語彙数と対応する英語レベルについて解説していきます。
ジョニーの大学以降の語彙数
受験時代は長文参考書等、比較的教科書英語に属する英語を勉強していましたが、大学入学以降は海外ドラマやトークショーなど学習の幅を広げ、語彙数を増やしていきました。ではその語彙数と英語レベルの変化を見ていきましょう。
- 大学1年春: 約10,000語。TOEIC 950
- 大学2年夏: 約12,000語。字幕なしで海外ドラマが少しずつわかるようになってくる。
- 大学4年春: 約15,000語。TOEIC 970
- 大学5年夏: 単位がやばくて語彙力の成長なし。
- 大学卒業1年後: 約18,000語。TOEIC 990 フレンズ等の簡単な海外ドラマなら字幕なしで95%以上わかるようになる。
語彙数が10,000語を越えると英語学習者向けの長文記事や教材ではほとんど知らない単語はなくなってきますが、BBCや海外ドラマなどのネィティブ向けのメディアではガンガン知らない単語が登場します。中学生でも20,000語の語彙数があるので当然といえば当然ですが。
語彙数が15,000語を超えた辺りから海外ドラマや洋書を楽しむことができるようになってきます。一文一文辞書を引かなくても内容が理解できるようになってくるんですね。TOEICではほとんど知らない単語は出てこないと思います。
語彙数が18,000語を越えるとフレンズなどの日常生活を描いた海外ドラマは字幕なしでほぼわかるようになってきます。僕はこの記事を書いている2018年8月現在、約18,000~19,000語程度の語彙数がありますが、小説や法律や医療を題材としたドラマではまだまだ知らない単語が大量に出てきます。今後もネィティブレベルを目指しひたすら語彙を極める道を突き進む予定です!(←大げさ)
上記であげた僕の経験はあくまで参考ですので、少ない語彙数でTOEIC 900を達成する方もいますし、反対に同じ990でももっとボキャブラリーが豊富な方もいらっしゃいます。
総合的な英語力はリスニング力・読解力・アウトプット力など他の要素に大きく左右されますが、それでも語彙力が全ての基礎になっていることは紛れもない事実です。
語彙数は何語を目標にすれば良いのか
これまでの様々なレベルの語彙数を見てきましたが、一体どれくらいの単語数を目標に設定すれば良いのでしょうか?
これは英語学習の目的によって変わってきます。
簡単な日常会話ができるようになりたい、という目標なら3,000~5,000語程度を身につけ、リスニング・スピーキング力を磨けば良いでしょう。
TOEICで900以上を目指したい、という目標なら10,000語程度あれば達成できるでしょう。
ビジネスで困らない英語力をつけたい、という目標なら10,000~12,000語程度の語彙数をつけ、自分の分野の専門用語を覚えれば良いでしょう。
しかしもし海外ドラマや洋画を字幕なしで楽しみ、ネィティブとも対等に話せるようになりたい、という目標があるなら最低でも20,000語、理想的には25,000~30,000語のボキャブラリーを目指していくべきです。
20,000語と聞くと圧倒されますが、毎日20単語覚えれば1年で約7,000語、2年ちょっとでネィティブレベルの語彙に届くことになります。(僕は怠け者なので、こんなペースでは増やせませんが...笑)
いずれにしてもまずはTest Your Vocabularyで自分の現状のレベルを把握し、目標となる語彙数とのギャップを認識し、年間どれくらいボキャブラリーを増やしていけば良いのかはっきりさせ、具体的な学習計画に落とし込みましょう!
語彙力を増やす3つのメリット
語彙力の重要性は理解したし、目指すべき語彙数も決まった。だけどモチベーションが湧いてこないという方。お気持ちお察しいたします。笑
語彙学習というのはかなりの長期プロジェクトですし、やっていてめちゃくちゃ興奮するというものでもありません。
そんな方のためにボキャブラリーを増やすことで得られる3つのメリットを紹介します。
もうモチベーションMAXだという猛者の方は語彙力強化の方法まで読み飛ばしてください。
メリット1: 語感が養える
日本語を読んだり喋ったりする際、主語はこれで述語はこれで、こういう意味の助詞で繋がっているから、、、全体の文章ではこういう意味になる!
なんて回りくどく考えているでしょうか?
おそらくなんとなく文章を読んでいても瞬時にイメージが思い浮かんだり、話す際も無意識に近い状態で日本語として自然な表現を選んでいると思います。(最近の若者は言葉遣いがなっとらん、とかいう議論は一旦置いといて)
このように文法等の論理的分析とは離れた無意識的な言葉に対する感覚のことを語感と言います。
もちろん文法や構文力も大事ですが、強力な語感があれば、そのような細かいルールをすっ飛ばし、自然な英語表現にたどり着くことができるのです。
そしてこの素晴らしい語感は語彙力を磨いていく過程で確実に身についていきます。
語彙同士の比較でニュアンスをつかむ!
語彙を増やすことはただ知っている表現が増えるだけではなく、新たに学んだ語彙と比較することにより、既に知っている語彙の理解が深まります。
例えば好きな映画の感想を述べる際に使う形容詞としてexciting・touchingしか知らなかったのが、新たに以下の形容詞を学んだ場合はどうでしょう。
- amazing
- thrilling
- breathtaking
- impressive
- inspiring
表現の幅が広がるのはもちろんですが、ファインディング・ニモはtouchingかな、シンドラーのリストはtouchingかinspiringどっちだろう、ターミネーターはexcitingよりthrillingの方が適切かな、などと相互に比較することにより、もともと知っているexciting・touchingという単語に対する理解も深まるのです。
語彙力を増やすというのは表現方法が豊富になっていくだけでなく、語彙同士がネットワーク状につながっていくことによって、それぞれの語彙の理解がより深く、より強固なものになっていくのです。
このように語感を養い、英語のニュアンスをつかむ力を身につけられることが語彙力強化の一つ目のメリットです。
メリット2:読解・学習スピードの向上
語彙力増加により得られる嬉しい効果の二つ目が読解スピード、学習効率の向上です。
読解スピードと学習効率の向上ってメリット二つあるやないかー!と思われた方もいらっしゃると思いますが、スピードアップということで一つにまとめました。多い分には問題ないですよね?笑
語彙力の増加による読解スピード・学習効率の向上は脳の仕組みと関係があります。それぞれ見ていきましょう。
ワーキングメモリーを解放し、読解スピード向上
ワーキングメモリとは、脳の中で一時的に情報を記憶して操作するための能力のことです。パソコンのメモリのようなものですね。
このワーキングメモリが保持できる情報量は少なく、7±2項目程度と言われています。携帯電話番号が9項目(090,080等を1項目とカウント)なので、パッと言われて覚えられる数字の限界です。
ここで重要なのがワーキングメモリの記憶量は文字数や数字の数ではなく、項目数というところです。よくCMであるように語呂合わせを使えば、電話番号が意味を持った塊となり、1〜2項目程度に削減されるのです。
このワーキングメモリ、一体読解スピードとどんな関係があるのでしょうか。
文章中で知らない単語に出くわすと、その意味について推測するために、文法の役割的には形容詞だなーとか、前の文章ではこう言ってるから...とか色々と考えてしまい、読解スピードが落ちてしまいます。
語彙力を増やし知らない単語を減らすことで、ワーキングメモリはこの余計な推測作業から解放されるのです。その結果、文の意味や文章構造の理解といったより高度なことに集中できるようになり、読解スピードが向上していきます。
さらにもう一つ、語彙力が増えると文をチャンクごとに捉えられるようになっていくこともポイントです。文章中に知らない単語が多いと、そこで一旦文章が途切れてしまい、ワーキングメモリの項目数が消費されてしまいます。
文をチャンクごとに捉えられるようになると、同じ文章でも少ないワーキングメモリ数で理解できるようになり、読んでいる途中に前の内容を忘れてしまうといったことが減り、結果的に読解スピードが向上していきます。
内容の理解度が上がり、読解スピードも向上するなんて一石二鳥ですね。
語彙力増加で学習効率が飛躍的にアップ
語彙力が増えるにつれて語彙のネットワークが広がっていき、新しい単語を覚えやすくなります。脳は全く新しい情報を覚えるよりも、既存の記憶に関連づけて覚える方が得意なのですね。
例えばabstract=抽象的という形容詞を覚える際、abstract words like "truth" and "beauty". といった例文を使い、truth, beautyといった元々知っている単語と結びつけて覚えると、単純に日本語の意味を丸暗記するよりも記憶に残りやすくなります。
また、abstractを元々知っていれば、その反対のconcrete=具体的なという意味の形容詞を関連づけて覚えることもできます。
このように語彙力が増えていくにつれて、文脈の中で覚えたり、知っている単語に関連づけて覚える能力が向上し、新たな単語を覚えるのにかかる時間がどんどん短くなっていくのです。
これに加えてワーキングメモリ関係での学習効率向上の効果も期待できます。
語彙力増加により文章を読む際にワーキングメモリの使用量が減少することは先ほど説明しました。知らない単語に気を取られない分、文章構造など他のことに集中できるんでしたね。
このワーキングメモリの解放により、文章を読む際やリスニングの学習をする際、冠詞・接続詞の使い方、各単語の発音・文全体での発音など、細かい部分にも気を配れるようになり、語彙力以外の部分での英語への理解も深まるのです。
語彙力強化に合わせて英文法の理解を深めておくとさらなるワーキングメモリーの解放が見込めます。本格的な文法学習に興味がある方は以下の記事もチェックしてくださいね。
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『英文法勉強法ロードマップ』5つの学習ステップとおすすめ参考書で文法の本質をマスター!
こんにちは!マルチリンガルジョニーです。 みなさんは英語学習において文法をどのように考えていますか? 絶対に文法から勉強するべきだという方や、文法はそこそこで語彙力を磨くべきだという方、いや文法なん ...
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*地獄の丸暗記文法学習を脱却したい
語彙力が5,000語以上あるのに暗記した英文しか話せなかったり、洋画などに出てくる口語表現は歯が立たないという方は、文の骨格である品詞・文型をSVOC等の「決まり」として機械的に暗記させられ、本当の活用法がピンと来ていないのかも知れません。「目をつぶってでも満点取れるわ」などの実践的例文を使って品詞・文型という強力なツールを味方につけませんか?
>> 品詞・文型の謎を解き明かすBlue Chip Grammar。自動詞・他動詞の使い分けは登録なしでチェックできます。
上記の読解スピード・学習効率の向上が語彙力強化の二つ目のメリットでした。
メリット3:面白い会話ができるようになる
語彙力強化により得られるメリットの三つ目が面白い会話ができるようになるということです。
ここでいう面白い会話というのは内容が高度な会話・ユーモアの効いた会話という意味です。
語彙力を強化することによってなぜ面白い会話ができるようになるのでしょうか。
相手の話への理解力・自分の話の表現力という二つの面から見ていきましょう。
相手の話への理解力が上がる
パーティなどでネィティブと話していて、相手の話が全く理解できなかったらどう対応しますか?
おそらく愛想笑いしながら頷いて、yeah...などと言ってやり過ごすのではないでしょうか。
よくわからないことがあったらわかったふりをせず聞き返すべきだ!というアドバイスがありますが、さすがに話のほとんどがわからなくてPardon? Pardon? Pardon? Pardon?と連発していれば、頭おかしい人と思われて嫌われてしまいます。
語彙力が十分にあればこのような状況に陥ることが少なくなり、またワーキングメモリの解放(再び登場)により会話の内容自体に集中できるようになるため、興味を持って話を聞くことができ、理解度も向上していきます。
相手の話を理解できていれば、yeah...のような気まずい返しをすることなく、しっかりと会話のキャッチボールを成立させることができますよね。
表現の幅が豊富になる
語彙力が増えることにより、相手の話の理解度が向上するだけでなく、自分が話をする際の表現の幅も広がります。
- あそこのレストランどうだった?→good!
- 君の名はってどんな映画なの?→good!
- 今日会うMaryってどんな子なの→good!
これではさすがに面白い会話とは言えないですよね。
語彙力が増えていくことにより、自分の思っていることを表現する方法が多様になり、さらには面白おかしい言い回しなどを使い、相手を楽しませられるようになっていきます。
例えツッコミでおなじみのフットボールアワーの後藤さんなど、長期間人気が衰えない芸人さんは語彙力が豊富だと思いませんか?
ちなみに僕の好きな芸人さんはさまぁ〜ずです。大竹さんの独特の言い回しと三村さんの的確なツッコミが病みつきになります。(関係ない話すみません。。)
相手の話を深く理解し、自分の思っていることを様々な表現で伝えられるようになることで、会話のレベルが上がる、というのが語彙力強化の三つ目のメリットでした。
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語彙力強化の3つの方法
ここからはオススメのボキャビル方法3つを紹介します。
どれも効率的に語彙力を強化できる方法ですので、試してみてくださいね。
語源で単語を深く知る
新しく単語を学ぶ際、語源を知ることで英単語への理解が深まるだけでなく、記憶に残りやすくなります。具体例を使って見ていきましょう。
subscribe=購読する という単語を覚える際、語源を知らずに丸暗記する場合、脳の中で記憶の手がかりはsubscribe=購読する という記号のようなつながりしか残りません。
単語帳で覚えているとして、同じページにsubstitute=代用するという項目があった場合、subscribe=代用する だったけなという風に記憶が混同してしまう可能性すらあり、大変危険です。
では、語源を使えばどうなるのか。
subscribeはsub(下に)+ scribe(書く)という二つの部分から構成されています。インターネットが発達する前、定期購読するためには申請書や契約書に記入してサインする必要がありました。
契約書の"下に"自分の名前を"書く"→定期購読する。となった訳です。
このように語源を理解していればsubscribe=代用するだったっけなといったように迷うこともなくなります。さらに同じ単語の別の意味も簡単に覚えられるようになります。
subscribeにはsubscribe fifty dollars to a local charity=地元の慈善団体に50ドルを寄付する。 の例文のように"寄付する"という意味もあります。この意味は一見すると"購読する"といった意味と全く別物のように思えますが、次のように考えれば実はかなり似た意味であることがわかります。
(寄付のための)契約書や小切手の"下に"自分の名前を"書く"→寄付する
英単語は普通二つ以上の意味を持っていることが多いですから、それぞれを別々に覚えるよりも上記のように語源を駆使して一気に覚える方が効率が良いのは明白ですよね。
語源で芋づる式に別の単語も覚える
語源の効果は英単語の理解を深め、複数の意味を効率よく覚えられることだけにとどまりません。
一度学んだ語源は他の単語にも活かすことができ、語源の知識が増えていくごとに新たな単語を覚えるのが簡単になっていきます。
subscribeはsub(下に)+ scribe(書く)という二つの部分から構成されると解説しました。このうちscribeという語源に焦点を当ててみると、以下の単語を芋づる式に覚えることができます。
- inscribe=in(中に)+scribe(書く)→石碑・金属板などの"中に"名前・文字などを"書く"→〜を刻みつける
- prescribe=pre(前に)+scribe(書く)→薬を渡す"前に"用法などの指示を"書く"→〜を処方する
- transcribe=trans(完全に)+scribe(書く)→音声などを"完全に"文字として"書く"→〜を書き起こす
このようにすれば新しい単語もすでに知っている知識に関連づけて覚えることができ、記憶がより強固なものになっていきます。
もちろんscribeを使った単語はまだまだありますし、subを使った単語もいっぱいあるので、語源の広がりは無限に近いです!
皆さんも語源の力を借りて英単語の理解を深め、単語同士を有機的に結びつけて記憶を確固たるものにしていきましょう。
英英辞典を活用する
英英辞典を活用するべきかについては賛否両論あります。
英英辞典を使うと分からなくて辞書を調べているのにまた知らない単語が出てきて挫折するといった意見や、英和辞典の方がパッと見て理解できるから効率的に学習できるといった意見は十分理解できます。
ですが、それでも僕は全力で英英辞典をオススメします!
英単語が持つ意味を詳しく分析できる
例えばsubscribeという単語を英英辞典で調べてみると次のような意味が出てきます。
arrange to receive something regularly, typically a publication, by paying in advance: "前もって支払うことで、何か(一般的には出版物)を定期的に受け取る手はずを整える"
オックスフォード英英辞典
〜を定期購読する という日本語訳だけを見るよりはかなり踏み込んで意味を理解できるのではないでしょうか。
一つ一つの単語を深く理解していけば、文脈に応じて適切な表現を選ぶ能力も磨かれていきます。
英語の処理能力がアップ
subscribeの定義はarrange, receive, publicationなど比較的簡単な単語により説明されていました。
新たな英単語を学ぶ際毎回英語の定義を読むことにより、そこですでに知っている単語が使われていれば、その単語に対する記憶がどんどん定着していきます。(知らない単語が使われていれば語彙力が増えるのでそれはそれでメリット)
さらに英英辞典を活用するということは、新たな単語を調べる度に自然な英語表現のインプットの貯金を積み重ねていくということです。
調べる回数を重ねるごとに、英語で書かれた定義を理解するスピードが早くなっていき、当然の結果として普通の文章を読む際の処理能力も自然と向上していくのです。
同じ英単語100個を覚えるにしても、英和辞典だけを使っている人と比べれば英語のインプット量は数十倍・数百倍にも及びます。月・年単位の学習で考えれば圧倒的な差がつくことは言うまでもないですね。
それでもやっぱり英英辞典の解説が理解できません...
英英辞典を使い始めたばかりでまだ英語の定義に慣れておらず、さらに語彙力も少ない状態だと英英辞典を使うのが苦痛に感じてしまうかもしれません。
そういう場合は英和辞典と併用して英英辞典に慣れていくといいです。
慣れるまではもともと知っている単語だけを英英辞典で調べ、使い方・英語の定義のパターンなどを掴み、新しい単語を英英辞典で調べる段階につなげていきましょう。
徐々に英英辞典を使う割合を増やしていき、最終的に新出単語を調べたい時に英英辞典を引かないと気持ち悪い状態になっていくことが理想です。
興味のある英文記事・洋書でインプット
語源・英英辞典を活用した勉強法を紹介しましたが、そもそもその素材となる単語はどこで見つけてくるのでしょうか。
受験参考書・資格参考書等の長文読解教材を使って勉強するのも一つの方法ですが、好きな分野の記事や本を英語で読むのが楽しく続けられるオススメの方法です。
好きな分野の英文記事を読む
好きな分野の記事を使って勉強することは、モチベーションを保つことができるだけでなく、英会話の際に必要になる可能性の高い語彙を優先的に学ぶことができます。
外国人の友達ができた際、多くの人は自分の趣味や好きなことについて話しますよね。その際に必要な語彙をあらかじめ身につけておくことは大きなメリットです。
具体的にはどのようにすれば良いのか。
例えば筋トレやダイエット方法、スポーツ情報や映画の紹介、あるいは初デートでの振る舞い方など、日本語で興味を持って調べている情報を英語でも探してみるようにします。
記事を見つけたらそのまま読み進め、わからない単語や表現があれば先ほど紹介した語源・英英辞典を使った学習法を実践します。
元々興味を持っている分野の記事なので多少内容が難しかったとしても背景知識でカバーできますし、参考書を読むよりも理解が早く、新しい語彙も記憶に残りやすいでしょう。
また、このようにして得られるブログやSNS、ニュースの記事は実際にネイティブの世界で使われている活きた英語です。
教科書英語だけでなく、こうした自然な英語の表現に触れていくことで語彙力・表現力を高め、自分の英語力を一段階上のステージへ進めましょう!
英語で読む情報の範囲を広げる
自分の好きな分野の記事を読むのに慣れてきたら、次は徐々に英語で読む情報の範囲を広げ、触れられる語彙の種類を増やしていく段階です。
日本語で考えてみると、好きな分野のことばかり調べるわけではないですよね。
天気や台風などの気象情報、旅行先での交通手段、あるいはこの記事のテーマである語彙力を増やす方法など、普段スマホ等で調べている情報は数多くあると思います。
好きな分野の記事だけでなく、こうした自分が普段必要としている情報を英語でも調べる癖をつければ、無理なく英語のインプット量を増やすことができ、さらに語彙の種類の偏りを防ぐことができます。
僕が個人的に語彙力増強の効果を実感しているのは、Bitcoin, Donald Trump, Humorのような、何となく知ってはいるが詳しい知識はあまりない物事・人物・概念について検索し、記事を見つける方法です。
この方法が優れているのは、一つのテーマについての記事を読んでいる途中で関連する他のテーマについても興味を持ち、連鎖反応のように新たな記事を見つけられるということです。
例えばHumorについての記事を読んで、その種類の一つにSarcasmがあることを知り、今度はSarcasmについて調べてみる、という流れです。
ここで挙げた方法は一つの例ですので、みなさんも英文記事を見つける自分なりの手段を模索してみてください。
洋書でステップアップ
短い英文記事を読むのに慣れ、ある程度の語彙力(5,000語~10,000語程度)がついてきたら、次は専門書・小説等の洋書を使った学習を始めるステップです。
ネットで見つけられる英文記事は比較的短く、使われる表現もカジュアルなものが多いです。専門書・小説等の洋書では語彙のバリエーションが広がり、内容も深い傾向があるので、上級者がネイティブレベルに近づく方法としてうってつけです。
専門書で論理構成に役立つ語彙を習得
専門書はある分野について論理的に解説されているので、その分野の内容・英語表現を学ぶことができるだけでなく、文章の論理構成やそのために使われる語彙を習得でき、さらにその結果読解力・ライティング力を養うことができ一石六鳥ぐらいの効果があります。
自分の専門や興味のある分野、例えば経済学・歴史・投資、音楽やポーカーの戦術等についての洋書を読めば、その分野についての語彙を自然に習得でき、各単語を別々に暗記するよりも圧倒的に効率が良いです。
もし自分の専門や興味のある分野が特にないという場合は、モチベーションを上げる方法、考える力を鍛える方法等が書かれた自己啓発本も構成は専門書と似ていますので同じような効果を得られます。
小説で物語に必要な語彙を習得
小説は物語を言葉だけで表現するので、専門書よりも使われる語彙の種類が多様な傾向があります。物語には人物・考え・情景等様々な要素が含まれます。このような全ての要素が読者に伝わりやすく、さらに楽しませるような表現で描かれている小説は語彙力を増やす究極の方法と言えるでしょう。
さらに小説を読む際は書かれた文字を頭の中で情景や情報に置き換えて行くことにより、英語の表現とそれが表す物事・事象が日本語を介さず直接結びつき、英語を英語のまま理解して自分の語彙として蓄積していくことができます。
語彙が増える量・効率共に優れた方法だと言えますね。
おまけ:単語帳は必要か
5,000語レベルくらいまでの基礎的な語彙力をつけるには単語帳は効率的かもしれません。また、単語帳で覚えるのが苦でなく、むしろスラスラ覚えられるといった人はどんどん単語帳を活用して語彙を強化していくと良いと思います。
ただ単語帳だけだとやっぱり覚えられる語彙の種類や意味の広がり、ニュアンスの理解に限界がありますので、上記であげた方法と併用していく必要があります。
単語帳が苦手で勉強していても全然頭に入ってこない、という方は無理に使う必要はないと思います。英文記事や洋書を読みながら出てきた単語を英英辞典で調べ、さらに語源も理解するといった学習を続けていれば確実に語彙は増えて行きます。
何より単語帳が辛くて勉強をやめてしまっては元も子もないですからね。モチベーションを保ちながら楽しく継続していくのが大切です。
まとめ
長文記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
語彙力はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキング全ての基礎となる非常に重要な部分なのでつい力が入ってしまいました。
今日学んだことをおさらいします。
- 語彙力の重要性
- 必要語彙数
- 語彙力強化の3つのメリット(語感、読解・学習スピード、会話力)
- 語彙力強化の3つの方法(語源、英英辞典、英文記事・洋書)
以上の4つについて解説しました。
文章中に5%以上知らない単語があると全てを理解するのはかなり困難になってしまうので、語彙力の強化は避けては通れない道です。
まずは自分の現時点でのレベルを把握し、必要な語彙数の目標を定めましょう。
そうしたら後は英文記事や洋書を読みながら、英英辞典・語源を活用して語彙を強化するのみです。
英文記事・洋書を使った学習を継続しているうちに、語彙を増やすための勉強をしているということを忘れ、文章を夢中で読み漁り、気づいたら語彙が増えているという状況になるのが理想です。
語彙力が増えた先には違った世界が広がっています。
今すぐ英文記事を検索して第一歩を踏み出しましょう!