皆さん、英語の表現力が上がっていない、よくあるつまらない表現しかできない、そんなふうに感じたことはないですか?
僕も普段から英語を話す中で、いつも使っている言い回しばかりだったり、カッコよく言いたいけどいい言葉が出てこない。。なんてことがよくありました。
日本人の英語学習者の方で多いのは、堅苦しい文語のような表現ばかり覚えて、実際の会話に使えそうな表現を覚えていないということです。
そこで、今回は、ネイティブが日常会話で使うこともあるイディオムをご紹介します。
ぜひ一つでも覚えて、英語の文化を学ぶとともに、今後の会話をスマートにしていきましょう。
また、イディオムを学ぶことは、英会話がスマートになる以外にもメリットがあります。
例えば、イディオムとはいえ、英語の文型を守っていることがほとんどなので、
イディオムとして丸ごと覚えることができれば、文法を自然に理解できます。
一文として使われるイディオム
・Variety is the spice of life(多様性こそ人生を面白くする)
・Every cloud has a silver lining(どんなに困難な状況や悪いことにも何かしらの良いことがある)
・People who live in glass houses shouldn’t throw stones(「自分が完璧ではなければ他人批判しない方がいい。)
また、イディオムは塊として覚えやすいという特性から単語の使い方を文章の中でしっかり覚えることができたりもします。
イディオムがたくさんありすぎて、どれを覚えたら良いのかわからないという点については、確かに、英語にはイディオムが25,000個ほどあると言われているので、どれを覚えたら良いのかわからないという気持ちもわかります。
イディオムは、先ほど述べた学習のメリット以外にも、
・表現の幅が広がったり、
・ネイティブとの会話にユーモアや知的な言い回しを含めることができたり、
・もともとある日本語の知識を活かすかっこいい表現ができたり、
などイディオムを覚えるメリットはたくさんあります。
そこで今回は、これだけ覚えておけばとりあえずは他の日本人の英語学習者と一気に差をつけられるであろう、という覚えておいて損はないイディオムを10個ご紹介します。
せっかくご紹介するので、イディオムの面白さや興味深さを感じて頂きつつ、記憶にもしっかり残して頂きたいので、イディオムの例文と語源をセットでご紹介します。
手っ取り早く、大事な表現と日本語の意味だけを知りたいという方もいるかもしれませんが、それではなかなかイディオムは記憶に定着しません。
というのもイディオムは字面とその表現がもつ意味が異なることが多く、英語と日本語の対応で暗記するのは、難しいからです。
例文を用いることで、シチュエーションをイメージして頂き、イディオムの意味をイメージという映像と一緒に覚えることができます。
そうすることで、文字の羅列がイメージと関連づけられ、記憶への定着を促します。
参考:The Best Memory Trick: Visualize & Associate
また、語源と一緒に覚えることで、字面からは意味を推測もできなかったイディオムにストーリーが加わり、意味が腑に落ちます。さらにストーリーは脳内で可視化ができるので、記憶への定着が増します。
参考:The link between memory and stories
一見字面から意味を推測できず、覚えるのが難しいように感じてしまうイディオむですが、どのようなシチュエーションで使うことができるのかはイメージしやすいですし、ほとんどのイディオムにはしっかりとした語源となるストーリーがあるので、単語帳の難しい単語よりも覚えやすいかもしれませんね。
それでは、そんなイディオムの中でも特に覚えて頂きたい表現をご紹介します。
覚えておきたいネイティブが使うイディオム10選
No pain, no gain
意味:痛みなくして、得るものなし。
例文:" I wonder if there are any ways to earn money with no effort.
" You know what they say? No pain, no gain. You've got to do what you've got to do to get what you really want.
訳 :「努力を全くしないで金を稼ぐ方法はないかな。」
「人はなんて言うか知ってるか。痛みなくして、得るものなしだ。本当に欲しいものを手に入れるためにはやらなきゃいけないことをやるんだ!」
Pull yourself together
直訳:あなた自身を集める
意味:気を取り直して。自分を取り戻して。立ち直って。
例文:"You can't even imagine how devastated I am after losing my dog"
"Pull yourself together. It's gonna be alright."
訳 :「犬を亡くして僕がどれだけ打ちひしがれているか君には。」
「元気出せよ。なんとかなるって。」
語源:"pull yourself together "という慣用句の起源は定かでないとされています。ネイティブスピーカーの間では、魂をかき集める、というような強い感情が込められているという点で共通の認識があるようです。
参考:stackexchange
Under the weather
直訳:天気の下
意味:気分が悪い、疲れている。
例文:"Bob was feeling a bit under the weather, so he decided not to run a marathon.
訳 :「ボブは気分が優れなかったので、マラソンを走るのをやめた。」
語源:諸説ありますが、船乗りに関する話が多いようです。
一つは船乗りが船酔いしたとき甲板の下で休むので、天気に左右されなく
なるから。もう一つは体調を崩した人が多いと、船旅の記録簿に天気の欄
に彼らのことを書かなくてはいけなかったから、というものがあります。
参考:under the weather
Butterflies in my stomach
直訳:お腹の中の蝶
意味:極度の緊張を感じたり、落ち着かないこと。
例文:I had butterflies in my stomach as I walked out onto the stage for my recital.
訳 :演奏会のステージに上がる時めっちゃ緊張したわ。
語源:1900年代前半頃に生まれたものとされており、お腹の中のヒラヒラした感じが、実際に蝶が飛び回っているように感じるということに由来しています。
参考:Writing explained
Let the cat out of the bag
直訳:猫をカバンから出す。
意味:うっかり秘密を漏らしてしまう
例文:It's really important that you won't let the cat out of the bag about my pregnancy! Everybody will worry that I won't return to work after maternity leave and I won't get the promotion.
訳:私が妊娠したことをあなたが漏らさないのが大事よ。育休の後に復職しないことをみんな心配して、昇進できないかもしれないから。
語源:"Let the cat out ouf the bag"という表現は、中世のある商人の出来事に由来していると言われています。
中世の時代、家畜を扱う商人は、子豚や鶏、アヒルなどの家畜を袋詰めして売っていたそうです。
あるずるい家畜商は、他の家畜の代わりに、当時あまり価値がないとされていた猫を袋に入れ、家畜として売ることで利益を出そうとしました。。
しかし、そんなことをしている最中に、その袋の中から猫が飛び出し、イカサマがバレてしまいました。
このことから秘密がバレることを"Let the cat out of the bag"というようになったと言われています。
参考:Reader's digest
See eye to eye
直訳:目から目へと見る
意味:意見が合致する
例文:While we may not all see eye to eye on a decent presidential candidate, we can agree on cheering for humans to destroy mean aliens.
訳:まともな大統領候補の意見は一致しないかもしれないが、人類が意地悪な宇宙人をやっつけることを応援することでは同意できる。
参考:The Miami New Times
語源:"See eye to eye"というフレーズは、聖書の一節、イザヤ書第52章8節に由来すると言われています。
参考:GRAMMARIST See eye to eye
Isaiah 52:8 Thy watchmen shall lift up the voice; with the voice together shall they sing: for they shall see eye to eye, when the LORD shall bring again Zion.
参考:Reason for hope
Easier said than done:
直訳:終わらせることよりも言うことは簡単である。
意味:見た目は簡単そうに見えて、できるとは言うものの、それを実行するのは難しい。
例文:The doctor advised me to stop smoking and drinking and start clean eating instead but I am kind of addicted so it is easier said than done for me.
訳 :医者はタバコと酒をやめて代わりに健康的な食事を始めるべきだと私に言ったけど、若干依存してるから私にとっては「言うは易し、行うは難し」だ。
語源:日本語でいうところの「言うは易し、行うは難し」という慣用句の起源は、1483年ごろに『Vulgaria Terentii』という書籍で初めて活字になったとされ低mす。当時の言葉では次のように表現されていました。"It is easyer to saye than to do."
参考:Easier Said than Done
Every cloud has a silver lining:
直訳:どの雲にも銀の裏地がある。
意味:どんなに悪い状況に見えても、そこには必ず良い面がある
例文:" Hey you know what ? I finally found a job and the people working there are unbelievably kind! "
"You see ? That's why I kept saying Every cloud has a silver lining."
訳 :「聞いてくれよ!ついに仕事見つけたよ!しかもそこで働いている人たちは信じられないくらい親切なんだ!」
「な?だから俺は悪いことがあってもそのうち絶対良いことが起きるって言い続けてたんだよ。」
語源:1600年代に活躍したイギリスの詩人ジョン・ミルトンは、1634年のポエム"Comus: A Mask Presented at Ludlow Castle"の中で「Silver lining」という言葉を使っています。ヴィクトリア朝時代の「絶望せず、より良いものを求めて努力せよ」という心情の典型と言われています。
"(略) Was I deceived, or did a sable cloud
Turn forth her silver lining on the night?"
「私は騙されていたのだろうか、それとも黄昏時の雲が
その夜、銀の裏地を見せたのか?」
Best of both worlds
直訳:両方の世界の最善
意味:いいことづくめ。両方のいいとこ取り。
例文:Working from home is the best of both worlds: I can structure my day around my family’s needs and yet work at a good-paying job.
訳:リモートワークは家族のニーズに合わせて一日を過ごしながら、給料の良い仕事に就くことができるから、いいことづくめだ。
語源:best of both worldsという表現は、1800年代の終わり頃に流行し、1759年に出版されたヴォルテールの作品「キャンディード」に由来していると言われています。その中でヴォルテールは、"the best of all possible worlds "というフレーズを使っています。
参考:Grammarist Best of both worlds
Once in blue moon
直訳:青い月に一度
意味:めったにない。めったに起こらない。
例文:例文:I think my girlfriend doesn’t love me anymore, she comes to see me only once in a blue moon.
訳:僕の彼女は僕を愛していないと思うよ、彼女は僕にめったに会いに来ないんだ。
語源:"Once in a blue moon"は、同じ月に2回、満月が現れるという現象に由来しています。この"Blue moon"(ブルームーン)とは、同じ暦の月に2度目に現れる満月のことで、この現象は32ヶ月に1度しか起こらないと言われております。1800年ごろから使用されていると言われていいます。
参考:The idioms
イディオムは語源と一緒に覚えよう。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
今回はネイティブが日常会話で使うこともあるイディオムを10個ご紹介しました。
もしかすると見たことや聞いたことがある表現もあったのではないでしょうか。
イディオムを覚えることができるとネイティブとの会話が楽しくなるだけでなく、英語圏の文化や歴史を知ることができます。
そのため、英語をただの丸暗記だと思って苦手意識があった人でもイディオムだとストーリーがあるから覚えられ、英語を楽しく学ぶことができるという話も聞きます。
ぜひ、皆さんも気になったイディオムや興味もひかれるストーリーなどがあれば、積極的にイディオムを学んでいってください。
そうすると気づいた時には日本人離れしたかっこいい表現がスラスラと口から出てくる日が来るかもしれません。