リーディング

【意識したい多読のポイント9つ!】楽しみながらリーディング力を伸ばす多読のやり方

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みなさんは英語の文章を読むことについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

学生の英語の授業でよく読んでいたけど、ついていくのに必死だった。

教科書の文章の意味は理解していたが、正直面白くなかった。

教科書には興味のないテーマについてばかり載っていた。

教科書の数ページを何週間にもわたって解説していた。

プライベートでは読んでみたいと思ったことがない。

読めたらかっこいいと思いつつ、飽きてしまって続かない。

仕事で英語が出てきたら億劫になる。

メールくらいなら何とか読めるが、契約書とかは勘弁・・・


などなど。。。


普段から英語に触れている人でない場合、英語の文章を読むことについてポジティブなイメージを持っていることはほとんどないかもしれません。


その理由はいくつか考えられますが、僕個人の経験や英語教育に関する海外の文献を読んでみると以下の3つが大きな原因だと考えられます。


①「おもろくないことについて英語で読んでいた。」
②「より正確に正しく読むことを強いられていた。」
③「英語力に比べて難しすぎる文章を読まされていた。」


もしみなさんが、上記の3つネガティブな体験をしていたとすると、英語の文章を読むことはつまらなく、しんどい、苦行のようなイメージを持つのも無理はありません。


おそらく多くの人にとって、人生で初めて英語と触れる機会は学校の英語の授業にあるかと思います。


そのため、仮に上記の3つの原因からみなさんが英語の文章を読むことについてネガティブなイメージを持っていたとしても、決してみなさんが悪いわけではありません。


かといって日本の学校教育や先生方を責めるつもりはありません。


学校では政府が定めたカリキュラムに従わなくてはならず、先生方も限られた時間の中でそれらのカリキュラムをこなす必要があるので、仕方のないことかもしれません。


大事なのは、過去を悔やむことではなく、過去を理解し、過去に培われた悪習を振り払い、前に進むことです。


それでは、どうすれば、過去に養われてしまった英語のリーディングに関するネガティブなイメージを振り払い、リーディングスキルを伸ばすことができるのでしょうか。


その答えが今回の記事のタイトルにもなっている「多読」です。


人によっては、多読を英語学習に取り入れてから一気に勉強が楽しくなったという人もいるくらいおすすめの学習法です。


今回はそんな多読を始めるにあたって押さえておきたいポイントを9つご紹介したいと思います。


非常に簡単なものばかりなので、ぜひみなさんの英語学習に取り入れて楽しく英語力を伸ばしていってほしいと思います。

多読とは?精読との違い



それでは、具体的な多読のポイントについてお話する前に、多読とはどのようなものなのか、簡単に触れさせていただきます。


多読とは読んで字の如く、「多く」の文章を「読む」ことが重要なポイントの一つとなっています。


「多読」と比較してよく議題にあげられるのが「精読」です。


こちらは多読とは違い、「より細かく読む」ことが求められます。


「熟読」と言い換えられることもあります。


読」という単語から「とりあえず多く読む」というイメージを持たれることも多いですが、多く読むことは多読のポイントの一つに過ぎません。


多読は英語の" Extensive reading"を訳したもので、本来"Extensive"には「広い範囲に影響を及ぼす・広い範囲をカバーする」という意味があります。


つまり、単純に読む文章の数が多いというだけでなく、幅広いジャンルの文章や興味のあるテーマへ読む範囲を広げることも重要なポイントになります。


そのため、多読では、自分の興味のある内容の文章を読むことが薦められていたり、たくさん読むために難易度も易しいものを読むことが薦められていたりと、英語のリーディングに苦手意識がある人にとっては、非常にありがたい勉強法です。


また、単にハードルが低く、始めやすいだけでなく、しっかり英語力の向上や知識を拡大をはじめとする様々なメリットも隠れています。


「多読」と「精読」の一般的な違いについてはイラストを用意しました。


次の章で細かく触れますが、多読の特徴をまとめたのでこちらでイメージを持っていただけたらと思います。




多読をする上で押さえておきたいポイント9つ


多読とはどのようなものなのか、簡単なイメージを持っていただけたかと思います。


ここからは、具体的にどのように多読を行うのが良いとされているのか、第二言語習得の世界的な権威による解釈をご紹介したいと思います。


私の経験では、日本人の友人や学生時代の私、塾の生徒を含めほぼ全ての人が学校の教育で多読をする機会がなかったように思います。


また、そのことが原因で、英語の読書嫌いや読書スピードの低下、全体的な英語力の伸び悩みにつながっていたとすら思えます。


簡単な文章でさえも流暢に読めないのに、難しい単語や表現が盛りだくさんの教科書を読むのが辛かったという記憶がある人もいるかと思います。


また、多少難しくても興味のある内容であれば、頑張って読もうというモチベーションも生まれるかもしれませんが、興味のない内容の場合は苦行ですよね。


苦行を続けていくのは誰にとっても辛いことなので、次第に英語に苦手意識が芽生えてしまい、気づいた時には英語とは無縁の人生を歩んでしまう、ということも想像に難くありません。


では、どのように勉強を進めるのが良いのか、そのヒントが多読です。


例えば、学校の授業では難しい教科書をゆっくり解説しながら読み進めることが多いですが、多読では逆のアプローチを取ります。


まずは、簡単な文章から初め、自分のリズムでテンポよく読み進めることや興味の持てる内容が書かれているものを積極的に読みます。


簡単な文章は読んでも意味がない、と思う人もいるかもしれませんが、一度流暢に英語を読む癖をつけてしまえば、どんな文章でも自分のリズムでテンポよく読み進めることができるようになり、長い目で見ると学習の効率が格段に上がります。


また、多読において一番重要とも言える、「読書自体を楽しむ」という経験をすることで、勉強自体が楽しいものに変わることがあります。


「好きこそ物の上手なれ」ということわざがありますが、努力を努力と思わずにしっかり自分の時間を投入できる経験は英語に限らずあらゆることに良い影響を与えます。


私自身、英語の勉強が好きではないこともありましたが、とにかく好きな記事を読み続けることで気づいた時には、周囲の人よりも英語力が伸びていたという経験があります。


当時は、好きな食べ物や好きな海外のアーティストの来歴について英語で毎日読んでいるだけだったので、周囲の人と比べると楽しく、楽に、ストレスフリーで勉強ができていたとも言えるかもしれません。


周囲の人が勉強だと思いながら特に興味もない英語の文章を嫌々読んでいる中、私は趣味として好きなことについて調べて好きなだけ読んでいたので、読書の量もスピードも圧倒的に差がつきました。


このように多読には非常に大きなメリットが数多く隠されているのですが、今回はこの多読の重要なポイントを8つに絞ってまとめました。


必ずしも全てを守らなくてはいけない、とプレッシャーを感じてしまうと、せっかくの楽しい多読が楽しくなってしまいます。


そのため、やらなくてはいけないこと、というわけではなく、普段の学習に少し意識して取り入れるとある時ふと多読の効果に気がつくことができる、というレベルの認識の方が良いかと思います。


それでは抑えておきたい多読のポイントを一つずつ見ていきます。

簡単な文章を読む

普段から英語を勉強されている真面目な方の中には知らない単語がたくさん入っている文章を読む方が単語を覚えることができるので、効率が良いと感じる人もいらっしゃるかと思います。


もちろん、難しい文章を読み、文章と一緒に単語を覚えること自体はとても良いことです。


単語帳に固執して英単語と日本語をセットで暗記するという学習法に比べ、文章内で実際に使われている表現を覚えることができるので、覚えた表現をそのまま使えるようになるというメリットもあります。


また、読書を通して、単語を覚えるのが目的であれば、知らない単語が出てきたらメモをとり、調べて意味を覚える、という方法もあります。


しかし、読解力をあげたり、読む速度をあげたり、リーディング学習をリーディング力の向上だけでなく、ライティングやスピーキング力の向上に役立てたい、という場合は多読が効果的な場合があります。


多読では、知らない語彙や文法がほとんどない文章や難しい単語は全く含まない教材を読むことが推奨されています。


具体的には、初級者であれば難しい単語は1ページあたり1〜2個以上、中級者であれば4〜5個以上の未知の語彙が含まれていないことが望ましいとされています。


これは、難しい教材を選んで読むのに苦労してしまうと、モチベーションが下がったり、読書のスピードが落ちてしまったりするからです。


そもそもの読書へのモチベーションが下がってしまい、「読書したくない」と感じてしまうとそこから抜け出すのはなかなか難しいです。


その点、簡単な内容であれば空いた時間で気軽に読むことができるので読むのが苦手な人でもそこまで辛い思いをしなくて済みます。


また、内容が難しいことにより、読書のスピードが落ちてしまうと前に書かれていたことが記憶の中から消えていくので書かれていたことを忘れてしまい、何度も戻って読まなければいけないという状況に陥ってしまいます。


皆さんの中にもこのような経験をしたことがある方もいらっしゃるかと思います。


僕自身も英語が嫌いでリーディング力も全然なかった時は何回も同じところを読んでいるのに頭に入ってこないという経験をしています。


多読で簡単な文章を読み、前からリズムよく読む癖を身につけると戻って読み返すようなよくない癖から抜け出すことができます。

様々なジャンルの読み物を用意する


英語の教師が英語教育に多読を取り入れるためには、生徒が自分の好きな本や興味を持てる記事を選べるように準備するべきだとされています。


もちろん、個人で英語を勉強する場合にも同じことが言えるので、自分の興味を持てる本や記事、資料を自分で用意することが良いとされています。


初心者の方の場合は、オックスフォード大学が出版しているGraded readersや様々な能力レベルの言語学習者向けに書かれた雑誌、児童文学などが推奨されています。

児童向けの文学を紹介しているサイト非ネイティブ向けの英語学習サイトなどもおすすめです。

また、中級以上の学習者には、ヤングアダルト文学や英語を母国語とする人が書いた趣味のブログなどがあげられます。

参考:
The Londoner
DeliciouslyYella

他にも、みなさんがそれなりの知識がある分野について英語で書かれている記事などもおすすめです。


また、上級学習者は 英語を母国語とする人のために書かれた本、雑誌、新聞を読むのがおすすめです。

参考:
Guardian
NewYorkTimes


特定のトピックの読みものを読むことで専門性をつけることができるので、それはそれで良いことですが、多読という観点では豊富なジャンルについて読むことが推奨されています。


多読は英語でextensive readingと言われている通り、ただ単に量をこなすだけでなく、読んでいる題材の「広がり」についても重要視されています。


そうすることで、「新しいことを知る」「知らないことに興味を持つ」といった読書本来の楽しみを感じながら英語力を身につけることができます。

自分が読みたいものを読む。


何を読むのかを自分で選択することで、学習者は従来の教室での役割とは異なる役割を担うことになります。


日本に住むほとんどの人が、学生時代の英語の授業で、与えられた教科書を読むという経験をしてきたかと思います。


学校から与えられた教材を読むのでもちろん、興味を持てない内容のものや英語がつまらないと感じながら読み進める必要があったかと思います。


一方、多読では、重要なのは、自分が読みたいもの、知識を得たいと思えるものについて読むことが大事です。


これが多読の醍醐味です。


多読を教育として導入する学校では、面白くないものや難しすぎるものは、むしろ読むのをやめるように勧められる場合もあります。


学習者は読みたいものを自分で選ぶことができるので、情報や楽しみなど、語学力を向上させるだけではない様々な目的で読書ができ、モチベーションを保つことができます。


また、特定の資格の目的や仕事に関するものといった”縛り”がないので、飽きずに継続することができます。


たとえば、私の場合はビジネス系の話やIT系の内容が好きなので、こちらのようなサイトだと楽しみながら読み続けられます。

参考:
entrepreneur.com
dev.to


別の例を挙げると、恋愛について知ることが好きな人はこちらの記事のようなコラムを読んでみたり(Guardian: LifeStyleに関する記事)、恋愛で起こるトラブルについての特集記事(恋愛で起こりがちなトラブル10選)を読んでみることもおすすめです。


気になっていることについて学びながら英語力を伸ばせて一石二鳥です。


もし抜け出すことができても読むのは教科書のような面白くない文章であれば、なかなか習慣的に英語の読書を楽しむというのは難しいかと思います。

できるだけ多くの本を読む。



ここまで、多読でいろいろな種類の教材に触れることが大事だという話や好きなジャンルの本や記事を読むことも効果的だという話をしてきましたが、やはり多読の言語学習効果は、読書の量からも生まれます。


具体的な読む量としては、多読の効果を発揮するためには、週に1冊を目標にするのが適切だとされています。


普段から読書に慣れていない人にとっては「いやいや、そんなに読むのは無理でしょ」と思わられるかもしれませんが、


多読の原則は最初に挙げた「簡単な内容のもの」なので、調整が可能です。


また、初歩的な言語学習者向けに書かれた本の中には非常に短いものも多いので、実は意外と現実的な目標とも言えるかもしれません。


普段から英語を読み慣れていない人がいきなり英語の小説を毎週1冊読もうとするとそれはそれで新たな苦行になってしまうので、あまりお勧めはしません。


あくまでもここまでに挙げた、「簡単」「いろいろなジャンル」「読みたいもの」というポイントを忘れずに、今の実力にあった一冊を読むという目標を目指すのがよいかと思います。

できるだけ速く読む。



ここまでのポイントからもイメージできるかと思いますが、
多読をする際に使用される教材は基本的には、学習者が読みやすく、理解しやすいものになります。


そのため、原則、学習者はできるだけ流暢に読むことを目指すべきだとされています。


また、読む際の流暢さを身につけるためにも辞書は使わないことが推奨されています。


皆さんの中には、普段から英語を読む際には、辞書を使う人がいるかもしれません。


辞書を使うこと自体は非常に良いことですが、多読時には読書の妨げになり流暢に読み進めることができなくなるので、多読学習を行う際には辞書は使わないようにします。


というのも、辞書を使うと一旦読むのを止め、言葉の意味を調べることになってしまい、読み進めるテンポが崩れ、流れるように読むことはできなくなってしまうからです。


辞書を使わなくても済むように、できる限り知っている単語だけで構成されているような文章を読むことが大事です。


しかし、いくら自分のレベルに合わせた教材を選んでもわからない単語や表現が出てくることはあるかと思います。


もし意味がわからない単語や表現に遭遇した時は、一旦無視するか、意味を推測することが推奨されています。


慣れないうちは、分からない言葉が気になり、読み進めることができなくなるかもしれませんが、慣れると言葉の正確な意味はわからなくても文脈からある程度意味を推測できるようになります。


とはいえ、推測できる範囲にも限界があります。


なので、やはり自分のレベルにあった教材を選ぶことが大事になります。

「楽しむこと」「情報を得ること」を意識する。


1章でも触れましたが、今回紹介している多読と比較して、詳細な理解を必要とする読書方法は「精読」と呼ばれることがあります。


「精読」の目的は文章の文法を紐解き、言葉の意味や筆者の意図をできる限り細かく理解することにあります。


一方、「多読」は読書自体を楽しみながら、情報を得るための読書と言えます。


皆さんが読書をする理由はいろいろあるかと思いますが、大きく分けると「楽しむため」か「情報を得るため」またはその両方かと思います。


そのような目的を考えると必ずしも書かれていることを100%理解する必要はないことがほとんどです。


筆者の意図を理解したり、自分が得たいと思った情報を得るためには、全てを理解できる必要はない場合があります。


本によってはそもそも筆者が読者に色々なことを考えさせようとするものもあります。


その場合、そもそも全てを理解することは不可能かもしれません。


つまり、全てを理解しようとする姿勢自体はもちろん悪いことではありませんが、それよりも読書自体を楽しんだり、自分が得たい情報を本から得ることが大事だとも言えます。


多読では、そのように書かれていることを全てを理解しようとする姿勢よりも読書自体を楽しむ姿勢が重要視されています。


そのため、楽しく読書を進められるテーマの本や興味を持って学びたい、もっと知りたいと思えるテーマの本を選ぶことが大事です。


目的は読書を楽しみ、何かしらの情報を得ることなので、テーマに優劣はありません。


政治や法律、歴史が好きな人もいれば、スポーツや料理が好きな人もいます。


そのほうが自分のためになるからと好きでもないテーマや難しい内容の本を選ぶ姿勢はカッコよく見えるかもしれませんが、多読という観点から考えると良い策ではないかもしれません。


難しい内容の本を読みたい場合は、多読とは別にそのための時間をとり、多読の時は自分の好きな内容のものを選ぶのが良いでしょう。

一人で黙々と行う。


多読をする際には、学習者は自分のペースで読むことが大事です。


英語の授業の際に、黙読の時間が設けられ、学校側が選んだ教材を決まった時間で読む、という光景に心当たりがある方もいらっしゃるかと思います。


この授業方針自体を間違っているというつもりはもちろんありませんが、多読の原則からは外れている点が2点あります。


一つは、前述の通り、学校側が選んだ教材を読むということです。


多読の観点から考えると学習者は自分自身が興味を持てる教材を選び読むことが大事です。


ある生徒にとってはその教材は興味を持てる内容かもしれませんが、別の生徒にとっては苦痛になる可能性もあります。


多読時には、楽しみながら読むために、自分の趣向にあった教材を読むことが大事です。


もう一つは、教師に読むタイミングやペースを決められているという点です。


英語に慣れていて読むのが早い人もいれば、普段から読書をあまりしておらず、英語も得意ではないので読むのが遅い、という人もいます。


全ての生徒が同じく決められた時間で読むとなると早く読むことに慣れていない生徒や今は本を読む気分ではないという生徒にとっては、ストレスがかかります。


そうなると読書自体に苦手意識が生まれ、そもそもの読書を嫌いになってしまうという非常によくない結果につながってしまうかもしれません。


考えてみると当然ですが、教師が決めた時間内に教師が決めた教材を読んで楽しいと思える人の方が珍しいかと思います。


多読時には、好きな教材を選ぶことに加えて、好きな時間・読みたいと思った時に自分の意思で読書をすることが大事です。

理解度チェックは必要ない。



海外の多読を英語教育に取り入れている教育機関では、多読の後に理解度を問う問題が出ることはほとんどないとされています。


スピードだけではなく、正確さも身につけたいと思う方の中には、文章の後に問題を解く形式の教材を使われる方もいるかと思います。


また、教材に課題はついていなくても、あえて自分でも問題を考えたりしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。


英語の文章を読むならただ早く読むだけではなく、ちゃんと内容を理解できていたのか、気になり確認したいという気持ちもわかりますが、多読の観点からは考えると読書後の理解度チェックは必要ありません。


むしろ理解度チェックがあると思いながら慎重に読み進めてしまったり、前に読んだ箇所が気になって戻って読んでしまうことは多読においては弊害になります。


テストや授業のような読んだ後に問題を解かなくてはいけないというようなプレッシャーは忘れ、あくまでも読書そのものを楽しむという姿勢で読むことが大事です。


しかし、カリキュラムに多読を積極的に取り入れている教育機関の中には、読書後に生徒にフォローアップ活動をさせることがあります。


具体的には、生徒が読書を楽しめたのかを聞いたり、もし共有したい感想を生徒が持っていたら本の感想を聞いたり、本の内容を表す印象的な絵を一枚描いてもらったりといった活動です。参考:iTDi


このような活動は、生徒の読書体験をより意味のあるものにするためのサポートであり、生徒の理解度を確認するためのものではありません。


生徒は読書後に内容を共有したり、登場人物について話したり、内容について議論する楽しみを感じたりすることで、読書の新しい楽しみ方を知ることができます。


ただ、このような活動はあくまでも多読のおまけのようなものであるべきで、多読の目的になってしまったり、必須事項となってしまうのはよくないとされています。


共有するのが好きではない人や自分の気持ちを表現するのが得意ではない人が読書そのものに苦手意識を持ってしまうかもしれないからです。

多読のメリットを理解する。



多読に限らず、あらゆることに共通することですが、多読を始める前に、多読とは何か、なぜ多読をするのか、多読はどのような利益をもたらすのか、どのように進めていくのかを理解しておいた方が良いでしょう。


理解することで、多読をすることは自分にとって有益なことであると納得して行動できるので、多読を継続できます。


みんなが多読をやっているから、多読は良いと聞いたから、という理由だけでも始めることはできるかもしれませんが、忙しくなったり、自分の英語力が向上してきた時や英語力に伸び悩んだときには果たして多読をした方がいいのか迷いが生まれてしまいます。


多読についてしっかり理解した上で多読をすることで、自分に多読があっていたのか、得られるべきメリットは自分にも訪れているのかを定期的に確認することが大事です。


また、教える立場にある方も多読について知ることは重要です。


多読において重要なポイントを忘れていないか、生徒に自分の趣味趣向を押し付けていないか、生徒のモチベーションは下がっていないかに注意を向けることは大事です。


生徒が何をどれだけ読んだかを記録し、読んだものに対する生徒の反応に興味を持ち、生徒が読書から最大限の効果を得られるように意識することも多読を教育に取り入れる助けになります。


生徒の反応や様子に注意を向けることで、より生徒にあった教材を用意することができるかもしれませんし、生徒の能力の向上を知ることができます。

一般的な多読のメリットを7つ挙げてみました。

①読書が上手くなる。
②語彙が増える
③ライティングスキルも伸びる
④その他の語学能力が伸びる(リスニングやスピーキングなど)
⑤読書のモチベーションが上がる。
⑥自主的に学習する姿勢を身につけられる。
⑦共感性が高まる*

*海外では、多読の教材として小説を選ぶ生徒が多く、そのような生徒は小説を全く読まない人と比べて共感性が高いという研究があるようです。
参考:Kieran Donaghy


多読のメリットの細かい内容は今後別の記事でも紹介したいと思います。

多読は楽しく英語を学習するための画期的な方法



今回は多読をする上で押さえておきたいポイントを9つご紹介させていただきました。

おさらいすると

1、簡単な文章を読む。
2、様々なジャンルの読み物を用意する。
3、自分が読みたいものを選ぶ。
4、できる限り多く本を読む。
5、できるだけ速く読む。
6、「楽しむこと」「情報を得ること」を意識する。
7、一人で黙々と行う。
8、理解度チェックは必要ない。
9、多読のメリットを理解する。


以上、9つのポイントをご紹介しました。
参考:The Benefits of Extensive Reading in EFL


多読を行う際は、基本的には全て自分の学習レベルにあった教材や進め方、ジャンルや量を学習者自身が決めることが重要だとされています。


裏を返せば、どの英語レベルの人にとっても英語力を伸ばすために多読が効果的であるとも言えます。


また、長く果てしない語学学習の中で学習意欲を落とさないための工夫はとても大事です。


多読はごく簡単な教材を楽しみながら読むことが推奨されていて、読みを終えた後の確認のテストも必要ないので、自分でハードルの高さを調整しながら、モチベーションの維持を行うことができます。


英語の論文を何冊も読むことは難しいかと思いますが、童話や海外のブログから読み始めると楽しみながら英語の勉強を継続することができます。


今後多読におすすめの教材や海外のサイトに関する記事も執筆予定ですので、ぜひそちらもチェックして頂けると嬉しいです。












 

プロフィール

管理人: マルチリンガルジョニー

 

高校中退→1浪→京大法学部→セブ留学(1ヶ月)→上海留学(1年間)→専門商社就職→香港駐在→2年で退社→韓国でフリー→医学部受験講師

 

モットーは『語学=ライフスタイル』
話せる言語は日・英・中・韓・広です。
TOEIC990。新HSK6級。

 

英語独学奮闘中の方を応援します。

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