誰かが自分の意見に同意してくれると嬉しいですよね。
自分の親と奥さんの意見が一致していることが多く、喧嘩が滅多にないという状況であれば、夫としては非常にありがたいです。
また、逆に仕事のいざこざなど、いくら話あっても全然話が合わず、一向に合意を得られないということもあります。
そのような状況を英語でどのように表すことができるでしょうか?
英語には"See eye to eye"という便利な表現があります。
直訳すると「目と目を合わせる」というような意味になりますが、英語では「意見が一致する」「同意を得る」といった意味合いで使用されます。
それでは、試しに先ほどのシチュエーションを英語にしてみましょう。
My wife sees eye to eye with my mother about almost everything so they have a wonderful relationship and rarely quarrel.
訳:私の妻は私の母とほとんど全てのことについて意見が一致しているので、二人は素晴らしい関係で、ほとんど喧嘩をしません。
例文:Kenji's secretary didn't see eye to eye with him about her salary so she quit.
訳:賢治の秘書は給料について彼と意見が合わなかったので、辞めてしまった。
このように「意見が一致する」という肯定形でも使用されますし、「意見が合わない」という否定形でも使用されます。
もちろん、どちらの使い方でも問題ないですが、使われ方としては否定形で「完全には合意しない」という意味合いで使われることが多い印象です。
それでは、"See eye to eye"についてざっくりと理解して頂いたところで、表現の由来や例文、似たような表現を見てきましょう。
"See eye to eye"の意味
"See eye to eye"は、「誰かと同意する」「誰かと同じ意見を持つ」「深いところで理解し合う」という意味です。
たとえば、付き合っている彼女といろんなことで意見があっているということを表現する時に使うことができます。
例文:My brother and his latest girlfriend see eye to eye on many things so it's a completely different scenario from the last girl he dated.
訳:弟と彼の最近の彼女は、いろいろな点で意見が一致しているので、元カノとは全く違うシナリオになっている;
また、冒頭でもお伝えした通り、肯定文でも否定文でも使用することができます。
たとえば、いろんなことで他人と意見が噛み合わないことを表現する時に使われます。
例文:Although I didn't see eye to eye with ex-girlfriend on many things, we both were very civil for the sake of our children.
訳:元カノとは意見が合わないことも多かったけど、子どものためを思って二人ともとても礼儀正しかった。
"See eye to eye"は、イディオムの響きからするとハイフンで繋がれると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ケンブリッジ英語辞典によると、この言葉はハイフンでつながれないようです。
参考:Cambridge dictionary see eye to eye
"See eye to eye"の由来
"See eye to eye"というフレーズは、聖書の一節、イザヤ書第52章8節に由来すると言われています。
参考:GRAMMARIST See eye to eye
Isaiah 52:8 Thy watchmen shall lift up the voice; with the voice together shall they sing: for they shall see eye to eye, when the LORD shall bring again Zion.
参考:Reason for hope
この箇所で、"See eye to eye"という表現は、面と向かって会う、個人的に会うという意味で使われています。
現代では、"See eye to eye"というイディオムは、ある人と意見が合うという意味で、自分の目と相手の目が全く同じ高さにあるという意味合いで使用されることがほとんどです。
"See eye to eye"の例文
例文:While we may not all see eye to eye on a decent presidential candidate, we can agree on cheering for humans to destroy mean aliens.
訳:まともな大統領候補の意見は一致しないかもしれないが、人類が意地悪な宇宙人をやっつけることを応援することでは同意できる。
参考:The Miami New Times
例文:That means they may increasingly see eye to eye on Syria even if Russia and Iran are on one side of the Syrian conflict and Turkey ostensibly on the other.
訳:ロシアとイランがシリア紛争の一方の側にいて、トルコが表向きもう一方の側にいたとしても、彼らはシリアについてますます目を合わせるようになるかもしれないということだ。
参考:The Jerusalem Post
例文:It will be interesting for viewers to see the BB 12 housemates together on screen as the two never saw eye to eye in the reality show.
訳:この2人はリアリティ番組で一度も目を合わせなかったので、BB12のハウスメイトがスクリーン上で一緒にいるのを見るのは視聴者にとって興味深いことだろう。
参考:India Today
例文:Blatter rejected allegations of vote-buying, and the two never saw eye to eye after that.
訳:ブラッターは票集めの疑惑を否定し、その後2人は決して目を合わせることはなかった。
参考:The Scotsman
"See eye to eye"に似た表現
ここまで、"See eye to eye"の意味や由来、例文を見てきました。
理解が深まりどのようなシチュエーションで使うことができるのか、イメージが湧いたかと思います。
そこで、ここでは応用として、"See eye to eye"に似た表現も一緒に覚え、表現力を一気に伸ばしてみましょう。
be of like mind
意味:似た考えや意見を持っている。
例文:She is always with people of like mind.
訳:彼女はいつも似た考えの人と一緒にいる。
be on the same page
意味:
例文:We're all on the same page here; we all know what our biggest obstacles are and how we should tackle them.
訳:私たち全員は共通の認識を持っている。何が私たちの一番大きな障害かどうかやどうやって取り組むべきか知っている。
sing from the same song sheet/ sing from the same hymn sheet
意味:同意して公の場で同じことを言う。
例文:I think we should have an online meeting with everyone who's involved in the project so that we'll all be singing from the same song sheet.
訳:全員の意見が一致するために、このプロジェクトに関わっている人全員でオンラインMTGを開いた方が良いと思う。
speak/talk the same language
意味:話や考え方が合う
例文:I hate going to family reunions because my relatives don't speak the same language and everyone constantly argues with each other.
訳:僕は帰省して家族と集まるのが嫌いなんだよね。だって、僕の親戚とは話が合わないし、全員お互い言い争ってばかりなんだもん。
"See eye to eye"を使おう
今回は"See eye to eye"という表現を見てきました。
誰かと同意する」「誰かと同じ意見を持つ」という意味で使われるので、よく使われる"agree"の代わりに使うこともできそうですね。
このような表現をライティングやスピーキングで使用することができれば一気にネイティブっぽくなることができます。
また、ネイティブが会話で使用した時に「目と目が合うってどういうこと?とならないよにするためにもここで押さえておきたいですね。
その他にも似た表現をご紹介してきましたので、ぜひ何度も見返して、しっかり使えるようになりましょう。
このブログではこれからも今回ご紹介したようなネイティブが使う便利なイディオムをご紹介していきます。
ぜひまた読みにきてください。
それではまた会いましょう。